約 814,060 件
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/99.html
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 その他 あ行 【アカイライが悟りの書を落とすのはアカイライ】 【アストロンスライム】 【犬】 【異変後】 【今更四天王】 【裏切り】 【Fさん】 【えにくす】 【エルキモす】 か行 【回復定数】 【開幕】 【開幕モンハウ】 【隠しダンジョン】 【隠しボス】 【神直伝の奥義】 【餓死】 【岩石系】 【強制切断】 【クリフト鳥】 【経験地】 【限界レベル】 【心の狭いやつ】 【心の広いやつ】 さ行 【最大レベル】 【ザッザッザッ】 【死にステ】 【縛りプレイ】 【シャアアアア】 【従業員価格】 【小説ネーム】 【初心者救済四天王】 【上限レベル】 【自称魔界のエリート】 【食堂の守り人】 【序盤3強】 【十字架】 【上位種】 【女性キャラ】 【女尊男卑】 【ジョルジュ】 【地雷】 【地雷原】 【地雷錬金】 【スーパーサイヤ人】 【すぎまろ】 【整形】 【セクハラ装備】 【即降り】 た行 【耐性貫通力(確率系)】 【耐性貫通力(ダメージ系)】 【タダ宿】 【種泥棒】 【玉鋼】 【タンバリン要員】 【ダイの大冒険→DQⅧ説】 【抱き合わせ販売】 【打撃偏重】 【ダメージ限界突破】 【断末魔】 【厨モンスター】 【天空シリーズ】 【デフォルトネーム】 【デブソーン】 【とじこめ投げ】 【とてつもなく恐ろしい存在】 【とてもいえないもの】 【ドーピング】 【ドゥン】 【ドラクエ狩り】 【ドラム要員】 な行 【仲魔】 【脳筋】 は行 【ハイエナゲット】 【はぐれメタルコンベアー】 【箱ニフラム】 【発掘】 【バニー装備】 【ぱふぱふ】 【ハマり】 【はらわた】 【引換券】 【火攻め】 【プチソーン】 【覆面パンツ】 【浮遊ゾーン】 【フリーズ】 【豚】 【ブロッコリー】 【ベホマン教】 【変身(魔王)】 【放置プレイ】 【放流】 【防御無視攻撃】 【冒険の書が復活した】 ま行 【魔窟】 【マ ク ロ ベ ー タ】 【負けバトル】 【宮里藍】 【息子】 【無属性規定ダメージ攻撃】 【村人全員に話しかける】 【メタル狩り】 【メタル系スライム】 【メタル装備】 【もょもと】 【モリーセレクション】 や行 【八百長】 【闇ゾーマ】 【闇の世界】 【よく使う20文字のカタカナ】 ら行 【ラストダンジョン】 【ラスボス】 【乱獲】 【ランクDの壁】 【量産型】 【レベル上げ】 【ローラ姫ファンスレッド】 【ローラ姫を抱えたままクリア】 【ロクなものよこサーヌ】 【ロトコレクション】 【ロトシリーズ】 わ行 【笑う魔人】 その他 【2%防具】 【4匹目】 【5強】 【200階プレイ】 【300階プレイ】
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/429.html
概要 Ⅲ以降に登場する武器。 巨大な毒蜂の針を加工した武器らしい。【ヘルホーネット】などの毒針が使われていると思われる。 魔法使いなど、基本的には非力な人間が使う武器らしい。 基本的に攻撃力+1(Ⅲは10、Ⅳ・Ⅷは0)という設定だが、相手に与えるダメージは必ず1。一見しょぼいように見える。 だが、どんな相手でも1ダメージは確実に与えるため、メタル系にも確実なダメージが与えられる。 更に、一定確率で敵の急所を突いて即死させることができる。メタル系を上手く即死させられればラッキーだ。 「即死」と「確実なダメージ」の両方向から仕留められるため、全員で突っつけば結構効果的。 当然ボスには効かず、作品によってはザキ系に分類されているため、メタル系には即死が効かなかったりもする。 DQⅢ DQⅣ DQⅤ DQⅥ DQⅦ3DS版 DQⅧ DQⅨ 少年ヤンガス DQS DQMBⅡ DQⅢ 攻撃力10。 【カザーブ】の武器屋でかつて販売されていたという武器。 噂を聞いて武器屋に行っても既に売られていないが、実は1本だけ武器屋のカウンター向かいの宝箱に入っている。 昼間は店員が邪魔になって宝箱を開けることが出来ないので、夜になったら入手しよう。 また、【スー】で10Gという破格で購入可能。 【ひとくいが】と【さつじんき】が稀に落とす事もある。 魔法使いと、リメイク版のみ登場の盗賊が装備可能。 魔法使いは序盤はコレ、中盤はメダパニ、終盤はドラゴラム パルプンテが使えるので、終始メタル狩りのエキスパートとして活躍する。 DQⅣ 攻撃力0。 4章の【ハバリア】の武器屋で1300Gで売っているが、5章になると武器屋が売ってくれなくなるので注意。 その場合は【サラン】にある北東の隠し武器屋で購入しよう。 【ロザリーヒル】で拾う事も可能な他、【ライバーン】が稀に落とす。 PS版では効果がⅦ仕様になっており、ザキが効かない相手には全く効果がないので注意。 ブライとマーニャの魔法使い系キャラ2人が装備可能。 DQⅤ 攻撃力1。 【ラインハット】(青年時代)の武器屋と【カボチ】の万屋で売っているが、2900Gとかなり高い。 リメイク版ではすごろくの穴の迷路タイプの宝物庫にもある。 【スカルドン】が稀に落とす。 「お金が溜まったら買おう」と思ってスルーし、そのまま忘れ去られてしまう事が多いだろう。 嫁、娘の他、装備グループB・I・Kの仲間モンスターが装備できる。 メタル狩りに活用しやすいほか、SFC版では【はぐれ毒針ハメ】の裏技もある。 マヌーサなどで【幻惑】状態にされても平然と相手に命中する、まさに暗殺武器である。 DQⅥ 攻撃力1、かっこよさ15。 非売品で、スライム格闘場Cランクの景品になっている。 また、アークボルトの魔法のカギの扉で守られている宝物庫や、ホルストック南の海底のほこらにもある。 出るのが遅くなったため、あまり活躍しなくなった。 ただし、これを装備したままばくれつけんを放てば即死効果を残したまま通常の威力で4回攻撃が可能である。 ちなみに、この作品にはヘルホーネットや【ポイズンキラー】といった毒蜂系モンスターが出現するが、 これをドロップするのはなぜか【デビルパピヨン】のみとなっている。 装備出来るのはミレーユ、バーバラ、チャモロ、テリー、全ての仲間スライム。 SFC版限定モンスターではどろにんぎょう、ウインドマージ、スーパーテンツク、ダークホーン、くさったしたい、ランプのまおうが装備可能。 売値は2175G。 DQⅦ 性能はⅥから据え置き。マリベル、ガボ、メルビンが装備可能。 小さなメダル45枚と交換するか、【ダンスニードル】が落としていくことがある。売値は1450G。 即死の追加効果がザキ系耐性で判定されるようになり、ザキ系が効かない相手には即死効果がない。 ただし、メタル系のHPを削る事は可能なので装備しておいてもいいだろう。 【ぬすっと斬り】と組み合わせれば擬似【ドクロ刈り】ができるが、効率は悪い。 3DS版 上位武器である【超どくばり】が登場。 しかしやはりザキ系耐性で判定される為、やはり使えない。 DQⅧ 攻撃力0。短剣扱いになっており、ゼシカのみ装備可能。ベルガラックにて1900Gで販売。 即死効果はⅦと同じ仕様になっている上に、ゼシカの短剣スキルが地雷なので装備されることはほとんどない。 しかし、【バトルフォーク】&【あくまのしっぽ】との錬金で【デーモンスピア】を作れる。 バトルフォーク入手段階でここまで錬金すればかなり強力。ぜひ作っておこう。 他にも【イーグルダガー】とこれで【アサシンダガー】、金の指輪とこれで【破毒のリング】が作れる。 落とすモンスターはポイズンキラーと【しのさそり】(※どちらもレア枠)。納得。 DQⅨ やはり短剣扱い。カラコタ橋やサンマロウで購入できる。 Ⅵ以前と同様に一撃死の判定が相手の即死耐性に左右されなくなったので、再びメタル系もたまに一撃で倒せるようになった。 また、敵に盾ガードされない。ただし、一撃死の確率はやや低くなっている。 これの1ダメージのほうで【デスカイザー】を倒す無茶なクエストがある(No.183「補習授業15時間目」)。 ギリギリまでHPを減らしたらこれに持ち替えてコツコツ刺していこう。 少年ヤンガス 奈落の洞窟以降のダンジョンに落ちている。 攻撃すると3%の確率で敵を一撃で倒せる。本編と違って1ダメージになる効果はないので安心。 ただし、確率が低すぎるので印を複数つけたい。即死確率は印の数×3%となっている。 あまり使えるように見えないが、魔導の宝物庫ではでは印が空いたら全部これにすると結構活躍する。 強さ1、上限+値10、空スロット数1と合成のベースには向いていない。 DQS 小さなメダル20枚と交換するほか、ポイズンキラーから入手可能。 急所を突けばボス以外は一撃で倒せる。ボスには大ダメージを与えることが可能。 急所は敵によって違い、スライムは目と目の間、大目玉は目玉の部分など、敵ごとに違う。 斬ったり急所以外を突いても1ダメージしか与えられない上、動く敵の急所を正確に突くのは至難の業。 これを装備してEXランクを出すことが出来たら神と言えるレベルかもしれない。 DQMBⅡ 第二章から登場する魔法使い専用の短剣。 上昇するステータスは、ちから+5 すばやさ+38。 使える技は「きゅうしょ突き」と「もうどくの息」。 前者は相手の急所を狙って攻撃する。一桁のダメージか相手単体のHP相当のダメージを与えるギャンブル性の高い技。もし相手がこの武器を使ってきた場合は、【セラフィムのローブ】で対抗したい。 後者は毒針をくわえ、毒の息を吐いて敵全員にダメージ。たまに1体につき140前後の猛毒の追加ダメージを与えられる。 呪文に頼らないので、仲間は呪文チームで使いたいところ。
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/4149.html
少年ヤンガス 一部ダンジョンにおけるモンスターの出現方法。 そのダンジョンではフロアによっては出現モンスターの一部あるいは全部が未確定となっており、ある決まった候補の中からランダムで選ばれるようになっている。 この方法で選ばれたモンスターのそのフロアでの出現率はあまり高くない。 だが、通常ならもっと先のフロアに出てくるモンスターが多いので気を付けよう。 例えば、【盗賊王の迷宮】10Fでは、【ぐんたいガニ】、【かぶとこぞう】、【スライムつむり】、【プリズニャン】、【ゴースト】が出現するが、それ以外に【さまようよろい】、【スカイフロッグ】、【ひとくいばこ】、【キャタピラー】のうちいずれか1種類が選ばれて出現する。 他にもこのパターンは【まぼろしの大雪道】、【竜骨の宝物庫】でも見られる。 また、【おそろしの大水道】、【盗賊王の大宮殿】、竜骨の宝物庫、【魔導の宝物庫】31F以降、まぼろしの大雪道29F以降、【夢幻の宝物庫】の17F以降ではフロアごとに抽選が行われ、必ず登場する6種類のモンスターに加えて、【ひとくいばこ】、【たまねぎマン】、【メタルスライム】のいずれか1種類が選ばれて出現する。 盗賊王の大宮殿、竜骨の宝物庫、魔導の宝物庫の61F以降は【ミミック】、【じごくのたまねぎ】、【はぐれメタル】に変更される。 この3種にも出現率に差があり、ひとくいばことじごくのたまねぎは割と出易いがメタル系スライムはかなり出難い。 魔導の宝物庫100F以降のパターン 魔導の宝物庫100~998Fではなんと全部の出現モンスターが未確定である。 一応、一定の法則にしたがってフロア毎7種類の出現モンスターが決まるようにはなっている。 出現モンスターが決定する法則は以下のとおり。 1.タイプAかタイプBが決定される。 確率論ではあるが、明らかにAタイプが選ばれる確率が高くなっている。 2.選ばれたタイプによって出現するモンスターの6種が決定する。 タイプA 以下の1~6までのグループ中からランダムに1種類ずつモンスターが選ばれる。 大半のモンスターが既に99Fまでに出現したモンスターである。 番号 候補となるモンスター 1 【しにがみ】、【ドッグスナイパー】、【ベホマスライム】、【ダークデーブル】、【ビッグスロース】、【プラズママウス】 2 【かげのきし】、【スターキメラ】、【アイアンクック】、【アークデーモン】、【スペクテット】、【デスストーカー】 3 【ゾンビマスター】、【げんじゅつし】、【ベビーサタン】、【ヘルバトラー】、【タップデビル】、【マペットマン】 4 【バーサーカー】、【ブチュチュンパ】、【キースドラゴン】、【クローハンズ】、【テラノライナー】、【ドラゴンバゲージ】 5 【メトロゴースト】、【マージマタンゴ】、【ポイズンキャロット】、【ラリホーアント】、【キラーマンティス】、【スーパーテンツク】 6 【リビングデッド】、【メタルハンター】、【ゴールドマン】、【じごくのよろい】、【メガザルロック】、【パペットマン】 タイプB 以下の1~5のグループからランダムに1グループが選ばれる。 全て99Fまでには出現していないモンスターで、野生ではここでしか現れないモンスターもかなり多い。 番号 候補となるモンスター 1 【ゴールデンスライム】、【ヘルジュラシック】、【グリゴンダンス】、【メダパニシックル】、【ラストテンツク】、【ボボンガー】 2 【アークデーモン】、【ギガンテス】、【デビルロード】、【ボストロール】、【ダースドラゴン】、【ドールマスター】 3 【ストーンマン】、【キラーアーマー】、【デスストーカー】、【マジックリップス】、【メタルドラゴン】、【スライムベホマズン】 4 【ディープバイター】、【じごくのハサミ】、【ファイヤーケロッグ】、【マリンスライム】、【だいおうキッズ】、【キングマーマン】 5 【闇の司祭】、【しりょうのきし】、【どくどくゾンビ】、【ヘルゴースト】、【ホロゴースト】、【グール】 3.A、Bともにもう1匹モンスターを加え、出現モンスターを決定する。 どちらのパターンの場合でもさらにミミック、じごくのたまねぎ、はぐれメタルのいずれかが選ばれる。 これで全7種類の出現モンスターが確定する。
https://w.atwiki.jp/hrhmkwsk/pages/140.html
アニメ・特撮ソングをメタル調にカヴァーする異色のメタルバンド。 名付け親は野村義男。 特徴として単純にアニメ・特撮ソングをメタルアレンジするだけでなく 有名どころのメタルバンドのリフを融合してしまうところである。
https://w.atwiki.jp/dqmb/pages/215.html
メタルキングのたて 種類 防御範囲 ガード発生率 盾 痛恨の一撃(物理・特技) 99% 補足 通常、会心の一撃(相手側から見た場合は痛恨の一撃)は盾ガードを無視するが、 この盾は他の攻撃に対しては一切ガードしない代わりに 装備者が痛恨の一撃を食らった場合 ほぼ確実に ガードする事ができる。 会心の一撃の発生率が高い技を持つ者たちにとって天敵となる。 数少ない例外として、「痛恨の一撃(物理・特技)|」とあるようにベビーサタンのイオナズン、メラリザードの火炎砲のような 呪文やブレスの痛恨の一撃は防げない 。 「勇者たちの挑戦」以降、ガード率は 100%ではなくなった ので 余程運が悪い場合、貫通してしまうこともあるので注意しよう。 (主人公への痛恨100発中、97回ガード成功の検証報告あり。) ちなみにこの盾のガードが発生した場合、痛恨の一撃の表示やアナウンスは現れない。 一見、普通の攻撃をガードした様に見えるがちゃんと痛恨の一撃をガードしている。 対戦向けのカードだがライバル戦でも役に立つことが多い。この盾が使われてる場合はあえて会心のでにくいチームで行くといい -- 名無しさん (2009-11-22 23 49 44) 対戦の場合。相手が装備してたら呪文で攻撃すれば何の問題も無い。バランスのいいパーティーを組むべし。 -- 名無しさん (2009-12-01 09 28 01) それでダメージ勝ちできる魔法使いや僧侶チームならな。 -- 名無しさん (2009-12-02 01 34 12) 100%主人公が痛恨吸い込んでくれないのね。仲魔が痛恨受けたよ。 -- 名無しさん (2010-01-23 00 05 58) 前にベビーサタンの痛恨がガードできないってバグあったよな -- 名無しさん (2010-01-23 16 54 37) 作戦の組立に是非欲しい一枚。これがあれば、対人で厄介な痛恨をノーダメージにできる。特に、僧侶のとどめ勝ち逃げきりのチームに必要。 -- 名無しさん (2010-03-07 01 02 51) メタキンの盾は物理・特技の痛恨をガードする。でもべビサタの呪文痛恨は防げないんだよな~ -- 伝説の勇者ロト (2010-03-08 22 12 17) ↑ベビーサタンのページではガードされたみたいだけれど。。。 -- 名無しさん (2010-03-25 02 54 23) このたては弱いと思う -- 名無しさん (2010-03-29 13 02 18) ↑確かにバトルロードでは使いずらいが、対人戦ではかなり効果を発揮する。 -- 名無しさん (2010-03-29 13 35 39) 怒れる大地になってから痛恨を吸う率がさがってないっすか?大会に参加したり観戦したりしてる時の体感ですが…。 -- 名無しさん (2010-03-30 05 20 33) ↑確かに新ROMになってから痛恨を吸う確率下がったな。 -- 名無しさん (2010-03-30 15 22 25) それでも相手がはやぶさのツメの時は役に立つ2回攻撃だから会心がでやすいという事で。 -- レクサール (2010-04-04 07 24 39) 魔法で攻めれば弱い盾。 -- 名無しさん (2010-04-04 08 53 00) 昨日2回の対戦の間に痛恨4回出されて一度も吸わずorz逆にこちらの攻撃を3回も勇者の盾(伝説の勇者ではなく通常のプレイヤー)でガードされるとか、どうやって勝てと -- 名無しさん (2010-04-04 12 35 48) ↑極度の劣化が、クズ化させたってことか…。 -- 伝説の死体 (2010-04-05 21 16 10) 対人戦も攻略変わってきてるから余計使えない盾。 -- 名無しさん (2010-04-05 21 34 21) メタキン盾乙。 -- 名無しさん (2010-04-05 21 41 57) ↑2、3 そんなこと無いかと思いますが···持って無いので、何としても欲しいカードです。痛恨を封じる、その確率があるだけでも十分ですし。 -- 御免ライダー (2010-04-06 22 35 24) わざと打撃耐性を低めにしたら多分狙われます -- 竜 (2010-04-07 10 12 18) ↑そのときに痛恨が出なかったら・・・ウギャー -- どれみふぁそらシドー (2010-04-07 16 23 41) 対戦で使うときに限って敵の痛恨が出ないかお供に飛んでいく落ちが良くあるから使えない -- 名無しさん (2010-04-21 13 46 28) で、他の盾にすると痛恨連発されてクソゲーになると -- 名無しさん (2010-04-21 14 44 49) ↑同感。 -- 痛恨4発くらって負けた者 (2010-04-30 22 08 13) 同じく同感 -- ルビス (2010-05-01 19 37 32) 攻撃ガードの必要性がないほど雑魚い大魔王と戦うときは安心 -- レックスはメタルギアを殺します。 (2010-05-12 19 45 46) 他の盾装備して痛恨連続で食らったら事故と思った方がいいね。カードゲームは事故がつきもの -- 名無しさん (2010-05-12 20 17 45) ↑モンバトはカードゲームではないと思うが、単にカラーコードの読込に使用しているだけで -- 名無しさん (2010-05-12 21 42 25) ↑27どこがインチキカードじゃないよ -- すら (2010-05-18 07 21 23) 対戦での事故防止用としか言えない -- 名無しさん (2010-05-20 23 15 47) ↑2いやインチキンカード!!!です -- 名無しさん (2010-05-23 18 01 07) 装備してたのに、何故かライバルのメイジキメラに痛恨2連発で受けたww他にも痛恨だしやすいメタドラやら隼の爪やらはあったのにww -- 偽りの勇者 (2010-05-23 20 52 42) ↑2インチキカードでは無いと思います。 呪文チームには意味がなくなる可能性がありますし。 -- 名無しさん (2010-05-24 16 34 34) ↑1,3,5インチキだったのは昔の話だ。今はもう戦略を変えてきているからもはや使えない。 -- 伝説の死体 (2010-05-25 09 03 46) 昔の話ならミニモンと同じように大会上位者のデッキから消えている -- 名無しさん (2010-05-26 00 50 22) バトマスデンタリッチとかだとあまり必要感ないな。主にドライバーにゾーンにタックルだから -- 名無しさん (2010-05-26 12 28 49) この盾を有効活用するには、はぐれメタルと大目玉で防いで主人公一人にする···が良いと思いますが、正直この組み合わせだったら天空3神器の方が向いてるしなぁ···でも、この状況なら100%痛恨は食らわない。 -- 偽りの勇者 (2010-06-01 00 43 36) 「痛恨の一撃」のアナウンスがないきゅうしょ突き系の攻撃に対してもガードが発生するというコメントが疾風のレイピアのページにあった様子。 -- 名無しさん (2010-06-26 01 00 33) 痛恨4発喰らって負けた自分はその時このカードの必要性を感じた・・・。 -- 逆襲のスライム (2010-06-26 12 00 15) ↑悲しい -- 名無しさん (2010-06-27 10 18 31) このゲームはカードゲーム。盾なんてその時の相性で評価は変わるでしょう。CPU戦では狙っている大魔王の攻撃パターンに応じて選ぶのが普通ですし、対戦(ましてや大会)とかでは読み合いになります。モンバトの醍醐味というか面白さっていうのは、必ずしも『最強』ってデッキが存在しないのが面白いところなのでは?? -- カイル (2010-06-27 11 28 50) 上、全く持って同感。しかし今はワンパターンという悲しさ・・・まあ、それを潰すのも楽しみですけど。話を戻すと、痛恨吸収率は本当に低下してる?今まで何度も使ってて、吸収できなかったのは4~5回、対して吸収したのは20~30回位。 -- 名無しさん (2010-06-27 13 43 41) もしも二回戦できめんどうしや踊る宝石が来たらガード率は0ですね。 800分の1の不良品め! -- 両津勘吉 (2010-06-27 14 02 09) ↑そんなこと言ってたら不良品じゃないのは死神の盾だけになる。 -- 名無しさん (2010-06-27 15 35 33) メタキンの盾は相手の大形がおおきければ主人公に会心の一撃の攻撃がきやすいがミニモンの会心はお供に攻撃が、いきやすいですよ -- スラりん (2010-06-27 23 30 57) ↑長文失礼しました -- スラりん (2010-06-27 23 32 54) ↑ あの、ちょっといいですか。『相手の大型がおおきければ』ってどういう意味ですか。すみません。理解力低くて。 -- カケル (2010-06-27 23 41 33) 体型と言いたいんでしょう恐らく。つかサイズ何の関係もない。あるとしたら一撃のダメージ量だ。 -- 名無しさん (2010-06-27 23 43 43) すみません子共なので。 -- スラりん (2010-06-28 00 06 57) 会心、痛恨共に、真ん中のキャラにだいたいが向かっている気がする。盾も耐性も関係無しに。例えば、悪魔系モンスターを連れていた時、ライバルの滅魔斬が殆ど悪魔に行って、自分戦士にきて「ラッキー!」なーんて思ってたら痛恨受けた(泣)他にも、SP使用後で代理防御をしなかったプラキンヒッポにメタハンが攻撃して(他キャラは会心無しでヒッポの隣を攻撃)会心なんて事も。 -- 名無しさん (2010-06-28 00 08 43) 以前、 -- 名無しさん (2010-06-28 00 19 25) 失礼。以前、調査項目にモンスター(主人公含む)が、単体攻撃をするときに対象を選択するロジックは、そのモンスターのかしこさに依存しているのではないかという、意見が有りませんでしたか? 結局検証はされていないようですが、サイズの大きいモンスターは賢さが低いモンスターが多いので、そのためにガードされるリスクが有るにもかかわらず、主人公に攻撃しやすいのではないでしょうか? あくまでも、推論でしか有りませんが…。 -- 名無しさん (2010-06-28 00 19 57) ↑プラキンヒッポとは何ですか?もしかして、プラチナキングをMWSしたシールドヒッポのことですか? -- 名無しさん (2010-06-28 12 26 26) YES。結構有名だと思ったので略しました。しかし、代理防御より先に、先制発動する疾風突きもプラキンヒッポには一回も行きませんでした。試行回数は10~15回。 -- 名無しさん (2010-06-28 16 00 03) 最近レジェンドばっかりだからメタキンの盾はご無沙汰かな -- 名無しさん (2010-06-28 17 37 04) みんな不良品とか役立たずとかいっているけど、つかいこなせば役に立つんですよ -- スラりん (2010-06-28 21 28 12) そんなに使えないですかねぇ?たまに暗黒ゾーンとかも防いでくれるし、会心率そこそこの風林火山も何度も防いでくれた。 -- 偽りの勇者 (2010-06-28 22 45 10) ↑偽りのゆうしゃさん、そのとおりです!! -- 名無しさん (2010-06-29 20 40 11) ↑2 確かに相手の痛恨の一撃を防げる、そしてバトマスの忍びの服を装備すれば、単体の打撃はほぼバトマスになるので、かなり使えるようになります、もし防げなくても、バトマスLv99には守備力が175以上あるので、忍びの服の打撃と属性弱点はあまり気になりません。 -- レクサール (2010-07-02 06 04 21) ビクトリーではかくとうパンサーの神速蹴の会心やスライムのスラ・ストライクが防げなかった。なぜだろう。。。。 -- イオナスン (2010-07-17 22 45 13) ↑ガード率100%じゃ無くなった?両方会心(痛恨)だよね? -- 名無しさん (2010-07-17 22 56 43) 今は神竜やはやぶさ改があるから需要は増えたかな…? -- カケル (2010-07-17 23 04 18) ↑2 100%で合っているが主人公がメタキン盾装備していたのに主人公が痛恨受けたこと1回ある。 -- ナナシ (2010-07-21 00 36 07) 実は食らったのは主人公じゃなかったという見間違いとか。 -- 名無しさん (2010-07-21 01 14 59) ビクトリーで大体30回ぐらい痛恨受けてみたけど全部ガードできた ガードできない可能性はあるとしたら恐ろしく低いはずなのでできなければ諦めましょう -- 名無しさん (2010-07-26 11 38 06) ↑3何か矛盾してない?だって100%で何でガード不可能なの?↑のコメントが正しいとすれば……ガード率が90~95%に変わったとかなのかな? -- 名無しさん (2010-07-26 11 56 42) ↑、痛恨ガード出来ないのは、ベビーサタンのイオナズン?とベホマズン?と、キャットフライの冷たい息位ですけどね…。…まさか、バグでしょうか? -- レミリア (2010-07-26 19 34 47) ↑2本当ですよ! -- 名無しさん (2010-07-26 19 54 16) ↑いや別に疑ってる訳じゃ無いんだけどさ……「100%で合ってるけど一回受けた」というのは言動が矛盾してない?って言いたかっただけ。それにこちらも「そんなこと絶対にあり得ない」と言えるものは無いし。 -- 名無しさん (2010-07-26 21 32 09) ビクトリーのwi-fi対戦で『わしづかみ』の痛恨が貫通してきて、16連勝が止められた。 -- 名無しさん (2010-07-27 10 16 34) ボストロールの痛恨の一撃が貫通した(-_-;) -- かける (2010-07-27 20 34 17) これのガード率は100%では無くなった模様……何%なんだろう? -- 名無しさん (2010-07-27 20 37 13) 追記。ビクトリーで100回痛恨検証してみたら97回防御できた。色々なモンスターで試してみたからどれが貫通するのかよくわからないけど技によっては防げない?例外もあるのかも知れない。俺は疲れた・・・もう二度とやらない。後は頼む同士・・・よ・・・ -- 名無しさん (2010-07-28 02 27 15) 天翔る竜の剣技の痛恨貫通確認。 -- かける (2010-07-28 09 50 04) 絶対に痛恨がガードできるわけじゃなくなっちゃったわけか。吸わないわ貫通するわで…。もうやだこの盾。 -- カケル (2010-07-28 11 19 57) 2週間前までガード発生率★★★★★(100%)だったのに・・・ -- w (2010-07-28 12 57 03) 天駆ける竜の剣技が本当に貫通だったらビクトリーのWI-FIには不向きの盾だな。 -- 男新井 (2010-07-28 18 14 08) 100%ガードがどう考えてもおかしかっただけ。 -- 名無しさん (2010-07-28 18 15 25) この盾を装備した戦士Lv95が、ライソルジャーの痛恨斬りをガード出来ず……本当に100%では無くなった見たいです……… -- レクサール (2010-07-28 18 45 26) ↑それも脅威のガード率には変わりありません。今まで痛恨全部ガードしてます。 -- バ虎 (2010-07-28 18 46 40) メタキン盾のガード率が100%じゃなくなったのはビクトリーのみなのか? とりあえずアーケードとビクトリーとの情報を混ぜないで欲しいのだが……。 -- 名無しさん (2010-07-28 21 26 24) 少なくともアーケードでは無いですね。ビクトリーはまだそんなに試していないので何ともいえませんが -- 名無しさん (2010-07-28 21 26 24) 何だか「吸わない」「貫通するようになった」「だから使えない」とか全然使いこなせてないorコメ見ただけの感想が目立ちますね(時期が時期だからか)。吸わないならモンスター達の耐性高めて回避タイプの装備にすれば自然と吸いやすくなるし、貫通するようになったといってもガード率は90%を遥かに超えて余程運が悪く無い限り貫通しない以上、殆ど性能は変わらず未だ健在。 -- 名無しさん (2010-07-29 01 16 30) ↑3アーケードでも100%じゃない。ライバル戦で滅魔斬が貫通確認。 -- 名無しさん (2010-07-29 16 26 41) この盾を使う人は急激に減った 青銅の盾とかふえたよおおおおおおおおおおおな -- はぐメタ (2010-07-30 04 02 02) ↑たしかにな・・・ -- 魔神ダークドレアム (2010-07-30 08 43 28) やっぱり最近あまり使えなくなりましたねぇ・・・ -- スラりん (2010-07-30 23 53 39) 私はメタル系スライム愛用者なのでいつもお世話になった盾。無論、現在も変わらずに使っているのだが…会心を防げるのはこれorウロボロス。ほぼ確実に防げるこちらを今でも使う。HPが低めの編成なら必須の盾。 -- 名無しさん (2010-07-31 03 24 48) むしろ神竜&はやぶさ改の出現のおかげで再び使用頻度高くなった私は異端なのか?吸い易くなるようにリッチデンタなどの鬼耐性モンスター達とこれでとこれで挑めば「会心orミス」技に至っては吸いまくるんだが?ガード率97/100は伊達じゃない未だ貫通未経験。貫通したらそれは単に運が悪かっただけで諦めがつく。 -- 名無しさん (2010-07-31 04 54 14) これにフラワーパラソルを使うCPがいたが、今だったら超極高確率を完全耐性に上げるので全く意味が無いわけでは無くなった。が、まず使う人はいないだろうなwww -- カケル (2010-08-01 00 26 08) ↑前章以前からメタキン盾にフラパ使うライバルがいたのは、このための伏線だったのか!?それと今更だけど、私がビクトリーで滅魔斬を食らった時は主人公混乱状態だった。状態以上の有無は関係ないかな? -- 名無しさん (2010-08-01 01 20 10) 貫通ではないけど、ビクトリーの地殻変動で痛恨を吸えずに主人公以外の他の仲間に直撃することが最近多いw。やはり、過信はできないです。 -- テリス (2010-08-04 13 19 56) ↑主人公に向かわなきゃ意味無いから過信はできないのはどの盾も同じ。この盾に限ったことじゃないのだが。。。 -- 名無しさん (2010-08-05 00 50 08) ビクトリーの有料配信で盾ガード率UPのおしゃれ着があるみたいだから100%じゃなくなったのはそのせいかも?全体的にビクトリーじゃ多くの盾のガード率下がってるし、それ装備すればどの盾もアーケード版の頃のガード率を取り戻せるかもしれない。 -- 名無しさん (2010-08-07 01 26 49) ↑実は無料で手に入るものにも(入手はきついけど)ガード率上昇アイテムはある。まあ効果は低めだけど -- 名無しさん (2010-08-07 09 07 22) この盾はⅤでものすごく劣化した。本日プレイして受けた痛恨の一撃は15ぐらい。しかし主人公に向かったのはたったの4回程度。ちなみに↑の方に「モンスター達の耐性を高めれば自然と主人公に集中しやすくなる」は大間違いである。戦士(グレートアックス·これ·天空の鎧)、はぐれメタル、メタルハンターで仲間をアホでも分かるぐらいに耐性を高くした。そしてその耐性は痛恨により無意味になった。最後の3発ぐらいはメタハン→リッチに変更。そしてALLノーガード。マジ困る。 -- 名無しさん (2010-08-14 01 52 51) 吸い込みは悪いし、ガード率が、100%じゃなくなるし、なんなんだこれは。 -- 名無しさん (2010-08-14 15 35 04) モンスターの耐性高ければ基本的に普段の攻撃は主人公に向かうのだが、痛恨になるとどのモンスターにも向かうようになった。痛恨は耐性もろもろ無視するからかな? -- 名無しさん (2010-08-14 18 15 43) ↑、↑3の者なんだが、そうかもしれない。やたらメタハンを狙われてはぐれメタルと戦士には行かなかったんだが……どうでもいい話になるけど、ヒットアンドアウェイで逃走中に「痛恨の一撃」、「パワースタンプ」が成功エフェクトだったのにミスになってたww さすがに当てる事は出来なかったようだww -- 名無しさん (2010-08-14 21 44 00) 何か自分も相手もイヤミのように、会心/痛恨を出す時に耐性が高いところをわざわざ狙ってる気がするのだが……ダッシュランとメタハンと戦士で組んで、いつもは戦士かダッシュランに行くのに痛恨はやたらとメタハンへ……ひょっとして、メタハンが痛恨を吸うようになったとか? -- 名無しさん (2010-08-15 12 46 01) よく3果実や神竜の剣装備と対戦すると、痛恨2~4回は食らうからこの盾欲しい。ちなみにアケ -- 竜王 (2010-09-06 23 01 56) 何か見ていると耐性の高い奴を会心が狙うっぽい?殆どメタハンやゴーゴン、デンタに行く時は会心。これを利用して……? -- 名無しさん (2010-09-06 23 19 00) ロトのしるしをつけて勇者でこの盾を装備すれば、ガード率は100%になるのかな?でも会心率が10%下がるのはちょっと……。余程運が悪くない限りガードしてくれるから、ロトのしるしつける必要ないかも。 -- もーもん (2010-09-07 17 12 02) スーパーハイテンション確率=この縦の貫通率 -- 名無しさん (2010-11-05 18 22 59) 日2回の対戦の間に痛恨4回出されて一度も吸わずorz逆にこちらの攻撃を3回も勇者の盾(伝説の勇者ではなく通 -- 名無しさん (2010-11-10 22 49 33) コメ欄見ると100%じゃなくなったことにリアルタイムで困惑してるニキ達見れて面白いな。 -- 名無しさん (2022-06-10 11 23 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/jojobr3rd/pages/388.html
「………………」 太陽の下、二人の男が静かに歩いていく。 前を行くのはしっかりした足取りながら、後ろにいる相手と離れすぎないよう気を使いながら進む青年、マウンテン・ティム。 後ろを付いていくのは満身創痍と言っても過言ではなく、それでも遅れまいとその歩を進める少年、広瀬康一。 二人の間に会話はない―――ここしばらくは、ずっと。 口を開けば何かが壊れてしまいそうな、そうでなくともその歩みが完全に停まってしまうのではないかと思えるほど二人の間の空気は張り詰めていた。 彼らの立場は言うなれば………敗残兵。 戦いに敗れて『失った』彼らがお互いに会話をしたとしても、何が変わるわけでもないと理解して………あるいは諦めていたのだった。 彼らはそのまま歩き続け………しばらくして、ようやく口を開いたのは康一。 「………………ティムさん」 「………どうした?」 「ここ、川沿いですよね………どうしてわざわざここまで来る必要があったんです?」 極めて事務的に、どうしても確認したい事柄だけを告げる。 というのも彼らはカーズから逃げ出した後、タンクローリーの終着点となったコルソ通りを横切って西へと進み、現在はB-4の中央付近にてティベレ川沿いに北西へと歩いていた。 しかし、康一が覚えている限りでは彼らの仲間たちがいたのはB-4の北東、古代環状列石のはず。 直接そこに向かわず、遠回りをしているのは何故か………その問いに対しティムは康一の側によると、少し声を落として答えた。 「………鳥の中には木の上じゃなく草むらの中に巣をつくる種類がいる。 そういった鳥は他の生物に巣の場所を知られないよう、あえて巣から離れた場所に降り立ってから歩いて巣まで戻るんだ。 オレたちは今、それに似たことをやっている」 「………『アイツ』、ですか」 「ああ、まっすぐ皆の元に向かってあの『柱の男』に行き先がバレたら、合流する前に先回りされて皆が奇襲を受けるなんてこともあり得るからな」 康一の怪我を考えれば一刻も早く仲間の元に戻り、東方仗助の『クレイジー・ダイヤモンド』に治してもらうべきだった。 だが、問題なのはそこに辿り着くまで………文字通り化け物じみた身体能力を持つ『柱の男』を移動スピードで上回れるとは到底思えない。 さらにダメージと疲労が蓄積した今の自分たちではおそらく、追いつかれた場合に片方が囮になったとしても、もう片方も逃げ切れない可能性が高いのだ。 そうなると、現在戦える状態ではない者を含む仲間たちの位置だけは易々と教えるわけにはいかない………そう考えた末の移動経路。 また、望み薄ではあったが『太陽』に弱い柱の男から逃げる場合、日光を遮断できそうな建物が両側にある通りよりも片側が開けた川沿いの方が僅かながら有利なのではという算段もあった。 「………………」 答えを聞くと康一は再び黙りこみ………それを見てティムは嫌なことを思い出させてしまったな、と思う。 先程康一はひとしきり泣き叫んだ後、涙も乾かぬうちに自分から移動を提案したのだ。 それは吹っ切ったわけでも前向きになったわけでもなく、ここで止まっていては『足止め』をしてくれた由花子の死が完全に無駄になってしまうから―――ごちゃごちゃの頭で唯一考えられた、やけくそ気味の提案。 他者の言葉がしっかり届くようになるまでは、まだ時間が必要―――そう考えたティムは康一に余計な言葉をかけたりせず、ただ黙って彼の先に立って歩き出したのだった。 幸いというべきか、移動中の二人にちょっかいをかけてくる参加者は彼らが懸念するカーズも含め、誰もいなかった。 だがそれはあくまで外から見た結果………実際の彼らは今にも近くの建物から、地面から奇襲を受けるのではないかという悪いイメージにとりつかれ、精神的にも参りかけていたのだ。 そんな彼らが突然耳に飛び込んできた轟音に対して過剰に反応したとしても、誰も責めたりはしないだろう。 「川が………!?」 「雨が降ったわけでもないのにここまで増水するなんて、ただごとじゃあないぞ………なにがあったっていうんだ?」 彼らの見ている前で、突如ティベレ川が原因不明の増水………しかもよく見ると、勢いよく水が流れ込んでくる排水溝は対岸の側ばかり。 奇妙な現象ではあったが、皮肉にもこれがきっかけで会話を取り戻した彼らにとっては仲間との合流が先決であり、現時点で何かアクションを起こすわけでもない―――はずだった。 「………! ティムさん、あそこッ!!」 「ん? あれは………!?」 急激に水量が増えていき、いまや完全に濁流と化した川の流れ―――その一点を指し示し康一が叫ぶ。 その指先が示す方向を見たティムの目にも『それ』が飛び込んでくる。 「人が………人が、流されているッ!!」 「何ッ!? この流れだ、水泳なんてやってる場合じゃあないぞ!」 彼らのいる川岸からやや上流の位置。 流れの中央を時折浮き沈みしつつ流されていくのは、まぎれもなく人間の体だった。 (位置は川のほぼ中央、ロープを投げたとしても届かない……… ………いや、ちょっと待て………そもそもあれは………) ティムはすぐさま救助の方法を考え始めるが、同時に流される人間を見て違和感を覚える。 (見た限りでは確かに人間のようだが、手足どころか体全体が全く動かずに流されていく……… 普通溺れているならば、最低限呼吸のために顔だけは上げようとするものなのに、その様子すら見られない………ん?) さらに思案する彼の目前を小さな影が駆け抜けていった………その先にある川へと、一直線に。 「康一君―――!?」 影の正体に気付いたティムは仰天する。 だが時既に遅く、康一は川へとその身を投げ出していた。 「無茶だ、康一君ッ!!」 ティムも川で溺れている者をすぐに助けたいという気持ちは理解できる。 だが、たとえ康一がオリンピックの金メダル級スイマーだったとしても、この激流に着衣のまま飛び込むなど自殺行為以外の何物でもない。 ましてや今の彼は怪我人、傷口が開いたりすればそのまま失血死してしまう可能性もあるのだ。 慌ててロープを構え川岸に駆け寄ると康一の姿を探し………すぐに自分の目を疑う。 (あれは!?) 驚くべきことに、康一は溺れていなかった。 彼の体は徐々に下流の方へと流されてはいるものの水に沈む様子は全くなく、むしろボードもないのに波に乗りつつ流されている者との距離を縮めていく。 どういうことかと目を凝らし、ティムは気付いた―――康一の服になにやら『文字』が張り付いているのを。 (スタンド能力………! さすが康一君、あんなことも出来るのか………なら、オレも自分の仕事を果たさなくてはな!) 今のところ溺れる心配はないとはいえ、スタンド能力がいつまで持続するかなど不安要素はある。 ティムは一度ロープをしまうと、自身も下流へ向かうべく地上を走り出した。 # (ハァ、ハァ………) 荒れ狂う流れに揺さぶられ、康一の全身が悲鳴を上げる。 由花子に痛めつけられた際のダメージが直っていないのに加え、ここまで移動してきた疲労もあるのだ。 だが、物理的にも心情的にもいまさら後戻りなどできない。 自身の服に貼り付けた『プカァ』の文字が自分を浮かせ続けてくれることを信じつつ、康一は流れてきた人物―――男性に向かい必死で手を伸ばす。 (う、ぐっ………重………ッ!) 自身の体を『エコーズ』で支えつつ相手の首の後ろをどうにか掴むが川の流れに逆らいきれず、逆に康一が引っ張られるように流されていく。 掴まれた側は急にブレーキがかかったことにより一瞬止まり、引っ張られた衣服の懐から光る『何か』が幾つか零れ落ちて流されていくが、康一にそれを気にする余裕など無かった。 再び激流に流され始めた体を離すまいとするが、康一より一回り以上も大柄な男の体格に加え、たっぷりと水を吸った衣服が重さに輪をかける。 さらに男の体は康一と違い勝手に浮き上がらないため、岸まで引っ張り上げるどころか必死に支えようとするだけで精一杯となっていた。 (うわ………これはちょっとマズイかも………) 沈まなければ溺れないとはいえ、川から這い上がれなければどの道自分たちはジ・エンドである。 さらに男は気を失っているのかピクリとも動かず、意識が戻りそうな気配も全くない。 康一が危機感を覚えたその時―――前方から彼の耳に聞き覚えのある声が飛び込んできた。 慌てて声がする方向へと顔を向け、川にかかる橋から激流の轟音に負けじと声を張り上げる存在を確認する。 「捕まれ康一ィィ――――ッ!!!」 「ティムさんッ!?」 橋の高欄にロープを結びつけ、水面ギリギリのところまで降りて橋脚に脚をつきロープと腕を伸ばすのはマウンテン・ティムッ! 沈まないとはいえ、急な流れの中では康一にとってあまりに小さな救いの手。 だが侮るなかれ、康一と同様スタンド使いであるティムもまた、この状況に無策で挑んだりはしない! 彼の『腕』がロープを伝い………康一にとってこれ以上ないというくらいピッタリの位置に移動してきた!! 「すみません、助かりますッ!」 康一もまた、自由なほうの腕を伸ばし………ガッチリとその手を掴む。 すぐに掴んだ手に引っ張られて康一と男の体はティム本体の元へと運ばれ、橋脚に脚をつくことで宙ぶらりんに近い状態ながらもどうにか川からの脱出に成功した。 「まったく、その怪我でなんて無茶をするんだ。きみの行動には本当に驚かされる……… こういう場合は、陸上から先回りして拾い上げる方が安全確実だというのに」 康一はすみません、と謝罪しようとして驚く………ティムの顔を見ると、彼が小さく微笑んでいたのだから。 「怒っているわけじゃあない。むしろオレは、一刻も早く人命救助をしようとしたきみの命がけの行動に敬意を表する……… だがそれでも、この人を助けるには遅すぎたようだ………」 「………………!!」 しかし、言葉を続けるティムの表情は途中から徐々に曇っていった。 言われた康一も引っ張りあげた男の姿をあらためて確認し………男の体のあちこちが潰れており、首や関節もあらぬ方向に曲がっている状態なのに気がつく。 近くで見ると………いや、最初に見つけたときでもよく観察していれば、遠目にもわかったろう―――男が、既に死亡していたということが。 「おそらく、この人は殺された後に川へ投げ込まれたんだろう………オレたちにできることは『無かった』」 「………でも」 (ぼくはまた、助けられなかった………) 言葉には出さずとも、ティムには康一の思いが手に取るように理解できた。 (当たり前だ………いくらスタンド使いで強い心を持っているとはいえ、人の死は辛く、重い……… 彼のようなごく普通の少年に、すぐに現実を受け入れろなんてのは酷過ぎる) 割り切れない思いは当然ある………だが、『すぐに』ではなくとも、現実から目を背け続けさせるわけにもいかない。 先程も同じような思いをした康一が相手ならばなおさらだった。 「納得できないか? ………なら、せめてこの人のために祈ってやれ。 格好からして、どうやら神父様かなにかのようだからな………」 「………はい」 うなだれる康一に対し、ティムは語りかける………だが、彼はこのとき言葉とは別のことを考えていた。 現在康一は両手が塞がっており、ロープに掴まっている以上暴れたり逃げたりすることはできない―――つまり、今が話をする絶好のチャンスだということを。 汚い大人のやり方だな、と心の中で自嘲しながらティムは再度口を開いた。 「康一君………由花子君のことを考えれば、オレがきみに何か言う資格なんて無いのかもしれない。 だがもし、きみに『戦う意思』があるのなら、きみひとりで挑むのではなくオレたちも頼りにしてほしい……… ムシのいい話だとは思うが………彼女やこの男性のような人をこれ以上増やさないためにも、ひとりきりで事に当たってはいけないんだ」 ティムは康一が自分に一言の相談もせずに川へ飛び込んだ行為を、非常に危ういと考えていた。 今回の一件は急がずとも、康一が飛び込む前にあらかじめロープを体に結んでおくなど『協力』すればいくらでもやりようはあったのだから。 結果的には無事だったものの、もしこれが『敵』との戦いだったならば―――あの柱の男に対し、康一がひとりきりで挑んでしまったならば―――そのような警告を込めた言葉。 また、あえて正論をぶつけることによって、自分に対する康一の信頼はまだ残っているのか、話を聞いてもらえるのか確かめる意味合いもあった。 「………大丈夫です。由花子さんも………ティムさんだってぼくを死なせないために文字通り命を賭けてくれたんです……… そんな人たちを嫌いになるなんて、絶対にありえません………」 顔を伏せたまま、激流の音にかき消されてしまいそうなほどの小さい声で康一はつぶやく。 相手の意図は理解しているようだったが、内容はその場しのぎとも言えそうな無難なもの。 それを聞いたティムは一瞬、まだ早かっただろうかと思う――― 「………ぼくは」 だが次の瞬間、勢いよく顔を上げた康一にティムの目は釘付けとなった。 康一の顔から先程までの沈んだ表情はすっかり消え失せ、傷が残りながらも凛々しい顔と力強い声で言葉を続ける。 「ぼくは、あなたたちと共に戦いたい―――いや、それだけでなく『成長』したいッ! いくら『覚悟』があったって、いざというとき何もできずにビクビク後悔するようじゃあダメなんだ! 実際に皆を守れるような、皆がこの人なら大丈夫だって思えるような『強さ』を身につけたいッ!!」 康一は真剣な眼差しでティムを見つめ返す。 ヒーローの志を持った少年は、自身が『力なきヒーロー』であることの無力さを痛感し、力を求めていた―――貪欲に、しかし同時に気高く。 ティムもまた、彼の瞳にタンクローリーの中で見た、小さき体に秘められた強い意志が再び宿っているのがよく分かった。 「………由花子さんのことは完全に吹っ切れたわけじゃないですが、命を捨てるような真似は絶対にしません。 それと、川に飛び込む前に相談すらしなかったことは謝ります………でも、あの行動自体に『後悔』はしていませんから」 康一がティムに相談せず、すぐに川へと飛び込んだ理由はただひとつ………彼は、サンタナから逃げるとき以上に『ムカッ腹』が立っていたのだ。 自分や由花子、さらに味方であるはずのJ・ガイルすらためらいなく殺そうとしたカーズに? そうするのが最善だったとはいえ、結果的に由花子を見捨てたティムに? ―――違う。 ―――死に行く者をなすすべなく見つめているしかなかった、かつての康一自身にである。 ましてや、男は『川に流されて』いたのだ―――最初に康一を助けたヒーロー、ダイアーと同じように。 その光景を目にしたときに康一が感じた怒りや悔しさ………それらが一挙に溢れ出て、疲労困憊だったはずの彼を突き動かしたのだった―――! 果たして、あの時から『成長』した康一の手は届いた………だがまだ遠い。 さらなる『成長』を遂げなければ、救うべき命はその手から零れ落ちていってしまう。 しかし、だからといって噴上裕也が言った「一人で抱え込まず、力を合わせる」ということを忘れていたわけではなかった。 実際、先程もティムに助けてもらわなければ彼は今も川を流され続けていたかもしれないという事実があるのだから。 仲間との協力は必要―――それは康一も肯定するところである。 だが、いつもいつまでも仲間が側にいてくれるわけではない、助けてくれるわけではない。 一人で戦わざるを得ないとき、あるいは逆に仲間を助ける立場になったとき、最後に頼りとなる自分が『限界』を超えなければならないときは必ず来る……… 康一はそのために『成長』を望んだのだ。 「………熱いな。だが、頭は冷えたようだな」 「はい、たっぷり水浴びしましたから………だけど『ここ』の熱さはたぶん、ずっとこのままです」 指で自身の胸を差しながら康一は、ようやく笑った。 ティムの言葉を冷静に受け止めることはできても、由花子を失った悲しみやカーズへの怒りは決して消えることはない。 だが『制御』はできる―――広瀬康一は無事、復活したのだから―――! 「それでいい。きみのような若者が持つ熱い心は、道を切り開くために必要だ……… さあ、上がろう。結構離れてしまったし、急いで皆と合流しないと―――」 もう、あの柱の男に遭遇したとしても康一は我を忘れてひとりで挑みかかったりはしない……… 言葉よりも心で理解し、安心したティムはロープを引っ張り橋の上へと登ろうとする。 ―――だがその時。 なんという運命のいたずらか、あるいは複数人でぶら下がり続けた故の必然か。 彼らの命綱であるロープを結びつけた高欄の一部が、ポッキリと折れてしまったのだ!! 「………なっ!!?」 驚愕の声はどちらのものだったのか。 不意を突かれた彼らは何も対処できず、一瞬後にはすぐ下の川へと落下していた。 「「う、うわあああぁぁ―――――――ッ!!!」」 さらにここで、水面へ叩きつけられた二人に差が出る。 衝撃でロープから手を離してしまった康一の体は『エコーズ』のしっぽ文字により沈まないものの、未だ治まらぬ激流によってさらに下流へと流されていった。 一方ティムの体は浮かばないどころか、その場でどんどん水底へと沈んでいく。 それもそのはず、彼の持ち物にはこの状況で持っていてはとてつもなくヤバいもの―――重量80kgもするチェーンソーがあったのだから。 (しまった、康一君ッ!) 水中という環境に苦戦しつつもどうにかチェーンソーだけを放り出すが、その時点で重しと支えの両方を失ったティムの体は当然、激流に翻弄されることとなる。 そして、いかに彼が凄腕のカウボーイとはいえ水中で縄は投げられない。 (落ち着けッ! 康一君は沈まない………まずは、オレ自身が陸に上がることを考えろッ!!) 浮きたくても浮けず、自分が上を向いているのかどうかすらわからない状況………だが、ティムは決して考えるのをやめたりしなかった。 パニックになりかけた自分自身に言い聞かせ、もがきにもがいてようやく水面に顔を出すことに成功する。 すぐに周りを見回すもティムの視界に康一の姿は映らず………彼もまた、襲い掛かる激流になすすべなく下流へと流されていくのだった――― ―――こうして、彼らの善意からくる行動は新たな決意を生み、互いの信頼を回復させたものの、思わぬ形でその代価を支払う結果となってしまった。 果たして二人はお互いと、そして別れた仲間たちと無事再会できるのであろうか………? 【C-4 ティベレ川 / 1日目 昼】 【広瀬康一】 [スタンド] 『エコーズ act1』 → 『エコーズ act2』 [時間軸] コミックス31巻終了時 [状態] 全身傷だらけ、顔中傷だらけ、貧血気味、体力消耗(大)、ダメージ(大) [装備] エコーズのしっぽ文字 [道具] 基本支給品×2(食料1、水ボトル少し消費)、ランダム支給品1(確認済) [思考・状況] 基本行動方針 殺し合いには乗らない。 0.とりあえずどうにかして陸に上がり、ティムと合流する。 1.シュトロハイムたちの元へ戻り、合流する。 2.仲間たちと共に戦うため『成長』したい。 3.各施設を回り、協力者を集める。 ※『プカァ』のしっぽ文字を服に貼り付けているため、単体では水に沈みません。 【マウンテン・ティム】 [スタンド] 『オー! ロンサム・ミ―』 [時間軸] ブラックモアに『上』に立たれた直後 [状態] 全身ダメージ(中)、体力消耗(大) [装備] ポコロコの投げ縄、琢馬の投げナイフ×2本、 [道具] 基本支給品×2(食料1、水ボトル少し消費)、ランダム支給品1(確認済) [思考・状況] 基本行動方針 殺し合いに乗る気、一切なし。打倒主催者。 0.陸に上がり康一と合流する。 1.シュトロハイムたちの元へ戻り、合流する。 2.各施設を回り、協力者を集める。 【備考】 ローパーのチェーンソーがC-4カブール橋下の川底に沈みました。 男性の死体はエンリコ・プッチのものです。死亡場所→カフェ地下の水路→B-3とB-4の境目にある排水溝の経路でティベレ川に流されてきました。 服から零れ落ちたのは第142話『Nobody Knows』でシーザーが拾ったDISCです。 二人は個別に川を流されています。二人のどちらがどの位置で陸に上がる、誰かに見られる、救助されるなどは次の書き手さんにおまかせします。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 132 マイ・ヒーローとラブ・デラックス (前編) 広瀬康一 159 冷静と激情のあいだ 132 マイ・ヒーローとラブ・デラックス (前編) マウンテン・ティム 163 星環は英雄の星座となるか?
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/1111.html
ヘビーメタル / HEAVY METAL 【ヘビーメタル】 骨太ギターサウンド&シャウトの嵐!! ヘビーメタル / HEAVY METAL ハイライト発生箇所 収録作品 関連リンク ポップンミュージック2で登場した楽曲。担当キャラクターはダミやん。 I m on Fire / AD/DA BPM 150 5B-【9】16 ⇒ 【19】22 N-【9】22 ⇒ 【10】24 H-× EX-× 新難易度 5Buttons NORMAL HYPER EXTRA × 30 43 48→【peace途中4】49 ハイライト EASY NORMAL HYPER EXTRA × × 5 7 激しいドラムロールから始まり、攻撃的なディストーションギターと激しいシャウトボイスが強烈な印象を与える、当時のポップン2における最高難易度曲として全体の印象が大きく変わるほどの存在感を誇った。ヘビーメタルのジャンルの特徴として、歌詞に「悪魔」「地獄」などといった過激な言葉が使われるイメージがある。BABYMETALのSU-METALが成人を迎えた1998年のヘビーメタル界隈は、世界的に知られるドラマーのコージー・パウエルが事故で死去した年でもあったことから、終盤のツーバスの音にはこだわりが見られる。 何といっても開幕の縦連打と、最後の両端の白同時連打→交互連打がこの曲の特徴を形付ける要因。縦連打が上手く拾えないなら、両手で押してみるとやりやすくなるかも。特に終盤はリズムが掴めないとタイミングがずれてGOODやBADハマリを起こしやすいので、一気にゲージが下がりがち。ポップン9で登場したスーパーランダムを利用することで、4個同時が無理押しになるリスクを踏まえても最初と最後が押しやすくなるので、ある意味オプションの恩恵が大きい曲でもある。 ポップンpeaceでは予想だにしなかったHYPER・EXが追加。開幕の縦連打がツーマンライブ(H)の最初や最後を高速にしたような配置が降ってきて、LPを押しつつの片手拘束で交互連打がその後に控えており、ラストの交互連打もLP拘束を受けながら押さなければならず、BADハマリが怖い。LPは始点だけ押して交互連打に集中するのもありか。そして問題のEX。当初は48というレベル設定はあまりにも非難の声が多かったため、1か月後に49に上がったとはいえ、依然として50に匹敵する声もあるほど。開幕からクラシック8(EX)を思わせる同時押し連打を強要され、前半の歌い出し直前にしれっと32分2連打が混じっているなど、連打以外のLP絡みを含めてあからさまにBADを多発させる配置が目白押し。果てにはNORMALの白交互連打に相当する部分がLP同時混じり→32分トリル→隣接同時32分トリルというあまりにも非情な配置まであり、並のプレイヤーでは到底押し切るのは無理。 ハイライト発生箇所 番号 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 1 × 最初の2小節のスネアロール 2 × 最初のデスボイス前のスネアロール 3 × 「Crime in the dark」直後の1小節 4 × 「♪お前の中に潜む 十字架の影」の3小節 「♪お前の中」 5 × × 「♪に潜む」 6 × × 「♪十字架の影」 7 × ラスト2小節のオブジェ全て ポップンミュージック2で登場した曲。この曲の譜面を一言で表すならば「連打」。上級者でもこの曲の正規譜面でフルコンをするのは難しいためS-RANDOMをつけてフルコンを狙うのが常套手段。・・・といっても正規譜面では最後に同時押しが待っているためS乱をつけても無理押しがでてくるので、フルコンを狙うなら無理押しを習得すべきである。しかし、裏を返せば無理押しの練習にもできるので無理押しの最初の一歩としては最適な曲のひとつだと思われる。 S-ランダムに頼らない場合は、ランダムがオススメ。この場合は、オブジェ認識の視野を狭められる配置になれば楽になる(終盤の交互連打)。また最初の連打は、片手で指を交互に1つのボタンを連打するとよい。苦手なら、両手で1つのボタンを連打するのがもっとも有効(らしい)。 ヘビーメタルとはヘヴィメタルの差別語。この曲に近いアーティストは、アンセム、聖飢魔Ⅱ等。しかし、実際のヘヴィメタルとは全く異なる質だ。語源はブラックサバスの音を評論化が「これはヘヴィメタルだ!」と言ったのが語源とされるが定かでは無い。その他ポップンで出来るメタル系の曲はペガサス幻想(セイントセイヤ)、レディメタル、シンフォニックメタル等で、ギタドラではSonataArcticaやセックスマシンガンズ等のメタルバンドの曲がプレイできるが原曲と比べると楽曲の質はかなりチープである。 レベルは24。後半でBADを連発する可能性があるが、連打タイミングが合えばクリアできる。一度クリアするだけならレベルが10台でも可能と思われる。 ラストの両白の交互連打は、直前の白の同時押しの回数と、交互連打がどちらの白から始まるのかをちゃんと把握してカウントしながら叩けば楽勝。 S乱は何故かラストの4個同時押しの3つのうち、1つ目と3つ目の配置が同じになる。案外覚えておいて損はないかもしれない。 5ボタンのパーフェクト狙いは人によっては難関の1つ。ポップン19でレベルが6も上がったところから個人差の激しい譜面といえる。 ネット対戦モードではS-RANDOMを使うと押しやすいこともあってか、不意打ち曲として効果を発揮していた。特に忍者ジョブやそれに順ずるアイテムのある環境では、これと同じBPM150台の譜面を引っかけとして用意することで相手にとって厄介なものとなった。しかしポップン20からのネットワーク対戦では何の曲でプレイするかがあらかじめ分かっているため、対策法を判っているプレイヤーでなければまず入らない点もあり、奇襲性は失われてしまい、プレイ環境の影響を大きく受けた曲ともいえよう。 JUDGE+のTIMINGの恩恵が大きい1曲となった 2019/08/27のアップデートで追加されたハイパーは、最初の2回目の縦連打部分や最後が、ロング拘束からの交互連打となっている。特にEXは曲調的に高難易度になることは予想されたが、両手同時縦連打→ロング拘束からの片手同時縦連打、32分2連打など難所のオンパレードで縦連打が出来ない人にはあまりにも非情すぎる配置となっている。しかも最後のN譜面における白同時→白交互は、 認識難のロング+同時、ロング拘束からの交互→32分の緑交互→隣接同時32分交互というとんでもないラスト殺し まで完備。 ポップンクラスが98~100近くの腕前ですら容易く落とされる程 にこの譜面は規格外である。ほぼ10年前にあった旧Lv42のEX譜面の悪夢の再来とされ、界隈では 即座にLv48の規格外 として認識され、ほぼ異論なしのLv50相当とされた。 2019/10/02のオンラインアップデートにより、EXはLv49に上昇。それでも、Lv49の中では問題児クラスの声が多い。 収録作品 AC版 ポップンミュージック2~ポップンミュージック4 ポップン3では代役のドナが担当。 ポップンミュージック6 エキスパートのHELL1-5のみでプレイ可能。 ポップンミュージック9~ポップンミュージック うさぎと猫と少年の夢 ノーマル譜面まで。 ポップンミュージック peaceからの全作品 2019/08/29からHYPERとEX譜面が追加。ポップンタイムトリップのポップン2編1で獲得できる。 ポップンステージ~ポップンステージex ポップンステージ版ではボンバーが担当。選曲画面でのジャンル名表記は「ヘヴィメタ」となっていた。 CS版 ポップンミュージック2~ポップンミュージック3 ポップンミュージック6 関連リンク この曲の背景が流用されている曲 ミクスチャー(rock the beatz) ミクスチュアル※ee MALL配信当時のみ 楽曲一覧/ポップンミュージック2
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/3639.html
概要 ⅧとⅨにおけるスキルの一つ。 その通り、剣を武器に戦うためのスキル。 DQⅧ解説 習得特技と必要SP(スキルポイント)主人公 ククール DQⅨ習得特技と必要SP初期装備可能職業 解説 武器性能&スキル性能 DQⅧ 解説 主人公とククールが持つスキル。 かえん斬り、メタル斬り、はやぶさ斬りといったシリーズお馴染みの使いやすい特技に加え、武器の種類も最も豊富な、定番かつ優秀なスキル。 主人公の最強スキルはヤリとされることが多いが、「主人公は剣じゃなきゃ」というこだわりを持つ人も多いだろう。 特徴的なのは、ククールの剣スキルには無い、ドラゴン斬りとギガスラッシュという2つの特技を覚えること。 特にドラゴン斬りは必要SP9という非常に早い段階で覚え、王家の山や竜の試練などで猛威を振るってくれる。 竜人族の血を引くからこそ、竜を断つ術を持っているということだろうか。 一方のククールは、主人公のヤリスキル最強特技であるジゴスパークをこちらで習得。 AI任せにしてしまうと、ジゴスパーク馬鹿と化してあっという間にMPを消費していくので注意。 Ⅷのカジノは稼ぎやすく、祈りの指輪や魔法の聖水が山ほど手に入るので、大量に準備して連発するのも面白い。 欠点は、主人公・ククール共にSP100になるまで集団攻撃の手段が無いこと。 槍や弓に比べると対応できる幅は狭いので、派手に戦おうとせず、1匹1匹着実に仕留めていくことが必要だろう。 また、主人公の場合、序盤は銅の剣以上の剣を一切入手できず、アスカンタではがねのつるぎを買うまでは攻撃力不足に悩まされる。 後々極めるつもりでも、序盤の内はブーメランを使ったり、ゆうきスキルを優先して上げたりした方が楽だろう。 習得特技と必要SP(スキルポイント) 主人公 習得SP 称号 習得特技及び特殊能力 4 剣の基本動作 剣装備時攻撃力+5 9 実力派剣士 ドラゴン斬り 15 名うての剣士 かえん斬り 22 上級剣士 剣装備時攻撃力+10 30 パワーブレイダー メタル斬り 40 エースブレイダー 剣会心確率上昇 52 マスターブレイダー はやぶさ斬り 66 ブレイドスター 剣装備時攻撃力+25 83 伝説の剣聖 ミラクルソード 100 剣神 ギガスラッシュ(※) (※)【ゆうき】スキルで習得していた場合、【ギガブレイク】に進化する ククール 習得SP 称号 習得特技及び特殊能力 4 剣の基本動作 剣装備時攻撃力+5 9 噂の騎士 火炎斬り 15 そよ風の騎士 剣装備時攻撃力+10 22 白百合の騎士 メタル斬り 30 薔薇の騎士 剣装備時攻撃力+20 40 紋章の騎士 はやぶさ斬り 52 太陽の騎士 剣装備時会心率上昇 66 奇跡の騎士 ミラクルソード 82 クィーンズナイト 剣装備時攻撃力+25 100 ロイヤルナイト ジゴスパーク DQⅨ 習得特技と必要SP 習得SP 獲得称号 習得特技及び特殊能力 3 剣の使い手 ドラゴン斬り 7 一人前剣士 剣装備時攻撃力+10 13 実力派剣士 メタル斬り 22 名うての剣士 剣装備時会心率UP 35 剣の達人 ミラクルソード 42 (♂)剣豪 剣装備時攻撃力+20 (♀)華麗なる女剣士 58 剣聖 はやぶさ斬り 76 (♂)剣王 剣装備時攻撃力+30 (♀)剣姫 88 (♂)不敗の剣王 ギガスラッシュ (♀)無敵の剣姫 100 剣神 全ての職業で剣装備可 秘伝書 - ギガブレイク 初期装備可能職業 【戦士】【盗賊】【旅芸人】【バトルマスター】【魔法戦士】 解説 Ⅸでは剣装備が可能な職業についた者全てが剣スキルを高められる。 剣は装備職業が最も多く、また剣スキルで習得する特技も強力なものが多いので、 武器の種類が多様化したⅨにおいても、やはり剣が最もポピュラーな武器となるだろう。 得意な相手はドラゴン系、その象徴として「ドラゴン斬り」を習得し、その他攻撃系の特技を多数覚える。 特にはやぶさ斬りは、【はやぶさの剣・改】を装備して使えば、今作で最も強力な攻撃法となる。 他にも攻撃と同時にHPを回復する「ミラクルソード」やメタル狩りに一応使える「メタル斬り」などを習得し隙が無い。 「ギガスラッシュ」や「ギガブレイク」は攻撃魔力+力でダメージが計算されるため、魔法戦士こそ最高の威力が出せる。 MP大量消費するものも多く、最も力が強い戦士やバトルマスターはMPが伸びないため、ギガスラッシュやギガブレイクは多用できないという欠点もある。 AI中心で進める人は、これらを多用させないよう注意を払う必要がある。 全体的に性能が高く、本編・クリア後共に強力な武器が手に入るため、極めておけば相当な戦力になる。 とりわけ武器の特殊効果も高性能で、攻撃力も最終的に最も高くなるためボス戦に関しては他の武器よりも頭一つ抜きんでている。 隼の剣、隼の剣改を除いた場合、攻撃力がかなり落ちるものの、全体的な武器の性能が高いため弱くは無い。 また、隼の剣は素の攻撃力が低いため、相手の守備力が高くこちらの攻撃力が低いと威力が出ないことも覚えておこう。 武器性能&スキル性能 ドラゴン系特効(1.2倍)のドラゴンキラー・ドラゴンスレイヤー以外の全ての剣にドラゴン系に1.1倍の特性ある。 剣自体の攻撃力はトップクラス、シンプルだが強力な能力を持つ武器も多く最も優秀な武器と言っても過言では無い。 2回攻撃の「はやぶさの剣」又は「はやぶさの剣改」、HP回復効果を持つ【きせきのつるぎ】。 お馴染みのメタルシリーズ、最強錬金の武器は敵の守備力を1段階下げる効果とどれも使いやすく性能も高い。 特殊武器 攻撃力 特殊効果 はやぶさの剣 12 敵一体を2回攻撃 はやぶさの剣改 26 敵一体を2回攻撃 さびついた剣 35 たまに攻撃がミス ドラゴンキラー 73 ドラゴン系に1.2倍 ドラゴンスレイヤー 88 ドラゴン系に1.2倍 きせきのつるぎ 77 与えたダメージの1/4をHP回復 きせきのつるぎ改 93 与えたダメージの1/4をHP回復 メタスラの剣 110 メタル系にダメージ+1 はぐれメタルの剣 124 メタル系にダメージ+1 メタルキングの剣 137 メタル系にダメージ+1 ほしくずのつるぎ 145 攻撃した敵の守備力をたまに1段階低下 りゅうせいのつるぎ 155 攻撃した敵の守備力をたまに1段階低下 すいせいのつるぎ 168 攻撃した敵の守備力をたまに1段階低下 ぎんがのつるぎ 180 攻撃した敵の守備力をたまに1段階低下 アイテム効果でダメージの武器と特殊な効果の無い武器は除外 名前 MP 範囲 属性 説明 倍率 依存ST 備考 ドラゴン斬り 0 敵単体 - ドラゴン系に大ダメージ 95~100% 攻撃力 ドラゴン系に1.5倍 メタル斬り 0 - メタル系にダメージ 95~100% 攻撃力 メタル系に1~2ダメージ ミラクルソード 4 - 敵にダメージ+回復 120~125% 攻撃力 ダメージの25%回復 はやぶさ斬り 2 - 敵に素早く2回攻撃 70~80% 攻撃力 隼の剣又は隼の剣改では4回 ギガスラッシュ 15 敵1グループ 光 敵1グループに光属性の攻撃 - 力+攻撃魔力 140~180から最大340~380ダメージ ギガブレイク 30 光 敵1グループに光属性の強い攻撃 - 力+攻撃魔力 185~335から最大445~595ダメージ 単体大ダメージ技、対メタル技、HP吸収、光属性グループ技と必要なものは大体揃っている。 「はやぶさの剣改」で攻撃回数が強化されるため、「はやぶさぎり」の攻撃力は0.75倍×4=3.0倍とⅨで最強の攻撃倍率の特技に進化する。 ただし、ミラクルソードだけは「はやぶさの剣改」で2回攻撃出来ない。また「きせきのつるぎ」で回復量は上がったりもしない。 「ギガスラッシュ」「ギガブレイク」は力+攻撃魔力でダメージ量が変化し、攻撃力は無視される。 力は職業によって大きな差があるが、補強は難しいため、威力を上げたければ攻撃魔力を強化していこう。 ちなみに力と攻撃魔力の合計値が最も高いのは魔法戦士だが、最大威力まで引き出すには大量の種が必要となる。 よって上記で書かれているスペックほど威力は出ない。しかしそれでも光属性なのでMPをどうにか出来ればかなりの活躍が期待できる。 他の武器と比較した場合の性能比較 時期 単体 グループ 全体 メタル MP効率 単体 グループ 全体 本編(隼の剣入手前) C+ A+ - C B D~E - 隼の剣入手後~クリア直後 A A+ - D B D~E - 隼の剣(改)・宝の地図~魔王戦 A+ A~A+ - D A C~D - ※はやぶさの剣の入手時期は終盤、グループ攻撃は光属性のため+補正 (補足 E苦手 Dやや劣る C平均的 B得意 A大得意 +ランクで上位 ー劣る部分がある -使用不可)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2857.html
『はぐれまりさとながれみょん』 39KB 愛で いじめ 思いやり 戦闘 飼いゆ 野良ゆ 子ゆ れいぱー 愛護人間 十……えーっと?作目ましてこんばんは、キャンセルあきです。 ■1、金バッジ試験 ~面接~ 「金バッジになったまりさちゃんは、迷子になってしまいました。気付いた時には金バッジもありません。 飼い主のお姉さんとはぐれた時に身体が汚れてしまって、見た目も野良ゆっくりみたいです。 人間さんに助けて貰わないとダメよね? 人間さんになんて言って助けて貰えばいいか、それを私に答えてね、ゆっくりでいいわ」 「ゆーん……むずかしいよう。まりさ、ゆっくりかんがえるよ。 そうだよ! まりさが人間さんに言わないといけないのは――」 はぐれまりさとながれみょん キャンセルあき ■2、まりさはきんばっじにな……ゆわあああっ! 「まりさ、金バッジおめでとう!」 「ゆゆーん、それもこれも、お姉さんのおかげだよ!」 金バッジ試験会場からの帰り道、子まりさは祝辞をお姉さんのハンドバックから聞いていた。 ソフトボール大の子まりさは、お姉さんのハンカチにくるまっている。 「帰ったらお祝いしましょうね、何か食べたいものはある?」 「ゆん! お姉さんがくれるごはんさんなら何でもむーしゃむーしゃするよ!」 「もう……定期的に金バッジの更新試験があるんだから、油断はダメよ?」 「ゆっくりりかいしたよ!」 ブリーダーの下で生まれ、赤ゆ言葉が抜けると同時に銀バッジを得た子まりさは、 ペットショップの店頭に並ぶやいなや、飼い主のお姉さんに引き取られた。 ――まりさ、始めまして。早速だけれど、金バッジのお勉強をしましょう。 ――ゆーん? きんばっじさんをもらうのはむずかしいんだよ。 ――大丈夫、お姉さんが一生懸命教えてあげるから、ゆっくり勉強していってね! ――ゆううぅぅ……もうちょっとゆっくりしたいよぅ。 いきなり金バッジの試験勉強が始まったおかげで、子まりさはゆっくり出来なかった。 だが、机の上に伏せられた誰かの写真立てや、壁に飾られたまりさ種のお帽子を見て、 お姉さんがおくびにも出さない寂しさを感じ取った子まりさは、受け継いだ餡子にかけて、 この寂しげなおねえさんにゆっくりしてもらおうと、お帽子に誓ったのである。 以来、まりさは長い年月――三週間――をお勉強に費やした結果、初受験にして見事、 金バッジ試験に合格したのであった。 「お姉さん!」 「なあに、まりさ?」 まりさはお姉さんに心配などして欲しくなかったから、お姉さんを安心させるために、 渾身の「ゆっくりしていってね」を送ろうとしたのだ。 「お姉さん……ゆっくりして――『ばっ』――ゆわああっ!」 とその時だった、ハンドバッグが、二人乗りのスクーターに引ったくられたのは。 「っきゃああっ! まりさ、まりさを返してええぇぇ!」 絹を裂くような悲鳴がどんどん遠ざかってゆく。 「ゆえええっ。はなしてね、まりさをお姉さんの所にかえしてねええっ!」 ハンドバッグから見える景色が、ゆっくり出来ない速さで流れてゆく。 これは、人間さんのすぃーだ! まりさの餡子が恐怖に震えた。 叫ぶまりさを、ヘルメット越しに男が見つける。 「アニキ、中にゆっくりが入ってますぜ。へー、金バッジだ」 「やめてね! まりさのばっじさん、とっちゃやだよ!」 まりさの金バッジを掴まれ、取り上げられそうな三角お帽子の縁を噛み、必死に抵抗する子まりさ。 「あぁん? 金バッジなら売り払ってしまえばいいだろうが!」 「そうっすね……ってアニキ、前を見て!」 「ん……うわああっ!」 急ブレーキの音――スクーターの前に、野良まりさが飛び出したのだ。 「このはしわたるべからずなのぜ! わたりたかったら"つうこうりょう"として――ぶべっ!」 前輪がまりさを粉砕――残骸で後輪がスリップ。 横倒しになるスクーターから、慣性の手が子まりさを投げ飛ばす。 「まりさ――お空をとんでるみたい! ――ゆべっ!」 激しい衝撃が子まりさを襲った。植え込みに突っ込んだ勢いでごろごろと転がり、 コンクリートとちゅっちゅして動けなくなる。折れた歯が口の中でコロコロして気持ち悪い。 外の音だけが良く聞こえた。 「これ……この餡子と金バッジはまりさ、まりさなの? 嫌、そんなのいやああっ!」 そんな、お姉さんの泣く声が聞こえた気もする。 その側に行ってすーりすーりしてあげたい。 お姉さんを泣かせるゆっくり出来ない奴は、まりさがぷくーで追い払ってやる。 ゆっくりしてほしい! ――でもいまは、すーやすーやしたくって、しかたがないよ。 抵抗しがたい暗黒の手に引き寄せられて、まりさはゆっくりと気絶した。 なお、ひったくり犯二人は、頑張る街の仲間達――ガードレールさん――の手で病院に 送られたが、それはまた別のお話。 ■3,まりさはみょんとであったよ! しばらく経った。 ぽつぽつと冷たいしずくが口に入り、子まりさはまどろみから目を覚ます。 「……お姉さん?」 「しらないゆっくりをおねえちゃんよばわりは、ゆっくりできないみょん。 おかあさんにきかなかったみょんか?」 開けた視界に映ったのは、縦横に擦り傷が走った、あまりにゆっくりしていないみょんだった。 「ゆ……ゆわああっ!」 「ひとのかおをみていきなりさけぶのは、しつれいだみょんが……まあいなれてるみょん」 みょんの咥えた、黒光りする木の棒の先端からは水が滴り降りている。 口を潤したのは、このみょんだったのだ。 「みょ……みょん! まりさはまりさだよ、ゆっくりしていってね!」 「みょんはみょんだみょん、ゆっくりしていくちーんぽ。 ときにこんなところで、なにをきんばくほうちぷれいだみょん?」 「……そ、そうだよ! まりさはお姉さんの所にかえらなきゃいけないんだよ! お姉さん……お姉さんはどこなのぉ!?」 二体は、道路の排水を流す側溝の底に居た。 子まりさは幸運にも、お帽子に包まれる形で、側溝の下まで転がり落ちて来たのだった。 打撲や抜けた歯の痛みにも負けず、お姉さんを呼ぶまりさの叫びは、 側溝の外から聞こえる大きな喧噪に紛れて、みょん以外には届かなかい。 みょんは冷めた目でまりさをねめつけながら、木の枝を銀髪の中に片付けた。 「なんだみょん……そとのやつらとおんなじ、"かいゆっくり"にしてほしい"きんばっじ"みょんか」 『助けて損した』と、傷だらけの顔に書いてある。 「……ゆ?」 ――外のやつら? 「みょん? じょうきょうがわかっていないみょん? そとをみてみるみょん」 「そういえばお外がすこしうるさいね! ゆん、のーびのーび、するよ!」 みょんの言葉に剣呑な雰囲気を感じ取った子まりさは、側溝の中から騒がしい外を見た。 「な、なな……何これええぇっ!?」 そして、子まりさが見たものは。 「まりさはきんばっじのかいゆっくりだったのぜ!」「まりさをかいゆっくりにしてね!」 「まりさはまりさだよ、かわいくってごめんねー!」「おねえさんのさがしてるのはまりさだよ!」 「まりさこそがほんとうのまりさなのぜ!」「はやくあまあまもってこい、このくそばばぁ!」 「むーしゃむーしゃさせてくれるんじゃないのおおっ!?」「まりさはしんぐるまざーのきんばっじだよ!」 「そんなことよりおうどんたべたい」「きんばっじのまりさはここにいるよ! よくみてね!」 「おねえさんならわかるよね、まりさこそがかいゆっくりだよ!」「まりさだよ、まりさのほうをみてね!」 「このおめめをみれば、まりさがきんばっじだってわかるでしょ!」「かいゆっくりにするのぜ! ぐずぐずするな!」 「ちぇんがきんばっじのまりさなんだよー、わかってねー!」「おまえはちぇんでしょおおおおっ!」 「まりさのーびのーびするよ! これみてゆっくりできたらかいゆっくりにしてね!」 「このながれならいえる、わちきゆるされ――「ぜったいゆるさなえ!」――さでずむ~~!」 「あ、ありのままにおこったことをはなすよ、"まりさはのらかとおもったらきんばっじだった"!」 「ひょっとしてそのきんばっじはまりさのげんそうなんじゃないかぜ?」 「まりさはまりさとはちがうんだぜ、じぶんをきゃっかんしできるんだぜ!」 「こんなのーびのーびはみるにたえないよ! いっしゅうかんごまたきてね、ほんとうののーびのーびをみせてあげるよ!」 「そんなきんばっじでだいじょうぶかのぜ?」「いちばんいいきんばっじをちょうだいね! たくさんでいいよ!」 「このうんうんをひりだしたのはだれだああ!」「やれやれ、たいしたやつだぜ」「なん……だぜ?」 「それじゃあ、ほんもののきんばっじでかいゆっくりなまりさはおうたをうたうよ! ゆっくりーのひ~」 「しんのでりしゃすですぱいしーなきんばっじまりさが、うんうんだんすでかいゆっくりになるよ!」 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、ちぇん、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、こがさ、さなえ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、 まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ、まりさ! 「まりさをかいゆっくりにしてね!」×多数 「まりさはきんばっじだよ!」×多数 太陽が傾き始めた空の下、事故現場には、二車線道路を埋める大漁のまりさ(他極少数)が、 我こそは金の飼いゆであると主張してたむろしていたのだ。 「わかったら、すこしあたまをさげるみょん」 硬直した子まりさのお下げを、みょんが引く。 「……きのうどこかのかいゆっくりが"まいご"になったらしいみょん」 「それまりさのことだよ……って、それでどぼじでこうなるのおぉ!?」 「しらねーみょん」無愛想な目が子まりさを見下ろした。 「ゆぅぅ……」 「ただ、あのまりさたちといっしょに、うるさくのはやめておくみょん」 子まりさは、野良にしては綺麗で健康的だし、お帽子には何かが千切れた跡があったが、 本物の飼いゆである証拠もないので、みょんは短く適切な忠告を入れるだけだ。 「あんなにしていたら、"かこうじょ"がとんできて"いっせいくじょ"だみょん」 「……そのとおりだよ。まりさはのーびのーびでようすをうかがうよ」 「みょんも、みてみるみょん」 「「のーびのーび」」 交通封鎖を起こすまりさ達の様子を伺ってみれば、まりさ達が必死に訴えかけているのは、 白黒の巨大なすぃーで、かなり小さめのお姉さんが、メガホン片手に仁王立ちしていた。 「皆さーん! 飼い主さんが探してのは、金バッジです! 子ゆっくりですよ! 大人じゃありませんよ~? 赤ちゃんまりさも違いますよ~! ……成体や赤ゆは今すぐ自爆しろ、アタシが許す」 パトカーが有って警官が居ないのは、ゆっくりが百も居れば、転んだ拍子に数十体から乗られて、 二階級特進する危険があるからだ。饅頭に殺されては末代までの恥と、ゆっくり対策課のお姉さんに 処理を一任しているのである。 そもそも、なぜまりさ種が大集合しているかと言えば、飼い主の探し方が悪かったのである。 まりさを呼びながら、町内を探し回ったまでは良かった。 精々、出てきた野良ゆが「おねえさん、まりさをかいゆっくりにしてね!」とほざいた挙句、 通りすがった鬼威惨にヒャッハーされる程度だ。 しかし、探しあぐねて途方に暮れた飼い主さんは、ゆっくり対策課より先に、 公園にいた"地域ゆっくり"に相談してしまったのである。 「私の飼っていたまりさがいなくなったの。金バッジの子よ」 「おお、まいごまいご」ヒュンヒュン 「できるだけ早く保護したいわ、おねがい、まりさを探して!」 「おお、りょうかいりょうかい」ヒュンヒュン 「おお、きんばっじきんばっじ」ヒュンヒュン 「おお、まりさまりさ」ヒュンヒュン 「おお、かいゆっくりかいゆっくり」ヒュンヒュン かくして、きめぇ丸達によって行方不明になった子まりさの噂は確かに、町中に広がった。 『まりさに金バッジを与えて飼いゆにしてくれる』という、クジラ並みの尾ひれを付けて――。 たった1日で、と言うなかれ。ゆっくりの思い込みの強さは、無駄に凄いのである。 「人間の話を少しは――」 「まりさはもはやきんばっじいがいのなにものでもないよ! かいゆっくりになるべきそんざいなんだよ!」 声を枯らして呼びかけても、壊れたレコードの頑固さで『金バッジ』、『飼いゆっくり』と 連呼するまりさ達は、お姉さんの言葉など右から左に抜けていた。 「私たちゆっくり対策課が用があるのはですね――」 「くそばばぁはゆっくりしないで、はやくまりさをゆっくりさせてね」 「昨日、金バッジの子まりさですよ――」 「さっさとあまあまもってきてね、たくさんでいいよ!」 「もう一回いいますね、昨日行方不明になった、子まりさですよ――」 「まりさのおちびちゃんをみせてあげるよ! ゆっくりできたらまりさをきんばっじにしてね!」 「それ以外は、まりさの皆さんが"たくさん"居るので、人間さんに迷惑がかかってます――」 「はやくしないと、まりさぷくーするよ! ぷくうっ!」 「もう、いい加減にしないと、加工所を――」 「はん、"ちび"なばばぁはだまるのぜ!」 ――"ビキィっ"―― その一言が放たれた瞬間、大気の組成が、一変した。 「分かった。よし、全部分かった」 メガホンを捨てた右手に、魔法の手際で有刺鉄線の束が握られた。 「オーケイ……全てにおいて了解だ」 そして左手に、成体ゆっくりが丁度一体入る大きさの、革の鞄が現れる。 「飼いゆは生かす、害ゆは潰す。"両方"やらなくちゃいけないのが"ゆっくり対策課"のつらい所だな。 覚悟は良いか? アタシは出来てる」 「ゆ……!」 「まずいみょん」 この場のゆっくりで変化に気付いたのは、みょんと子まりさ、そして野次馬の希少種だけ。 『よく聞け、十の間に消滅しない饅頭には、"然るべき処置"をお見舞いしてやる。 餡子が惜しいまりさから去ねや。そんで、"本物は明日来い"!』 「みょんおねえちゃん、にげるよ!」 「まつみょん!」 みょんは、跳ね出した子まりさを鋭く一喝し、長い舌で絡め取ると銀髪に載せた。 「おかざりをでぃーぷすろーとするみょん!」 子まりさが黒い髪飾りに噛みつくや否や、みょんは側溝の中を滑るように走り抜けた。 壁との距離が近いため、すぃーもかくやという速さに感じられる。 『いーち、にーい、さーん……面倒クセェ……"たくさん"!』 「ちゃんと"じゅう"までかぞえてよおおおっ!」 「いいからだまってつかまってろみょん!」 そのとき、みょんの頭上で子まりさは見た。 空中に螺旋を描いて広がり、たむろしたまりさ種達を囲うトゲ付の鉄線を。 そして見た。 「おまえたちぜんぶ、こんてにゅーできないよ!」 「「「「「「「ふ、ふらんだああっ」」」」」」 風を切って縦横無尽に飛び回るゆっくりの死神――捕食種ふらんの威容を。 「うー。おねえさんをばかにするやつらは……死ね!」 「うわらば!」「ひでぶ!」「あべし!」「たわば!」「あぶ!」「えろば!」「ぐわし!」 死神が鎌を一振りすれば、頭を下げぬ饅頭は、"不運"と"踊"って散華。 饅頭皮と白玉が、餡に塗れて降りつのる。 「ゆっくりしてないふらんは……みんなぁ!!」 「「せいっさいっ! してやるのぜ! えい、えい、ゆー!」」 お姉さんに投げられ、高速で飛翔するふらんに対して、40体近いまりさが立ちはだかる。 まりさ種40体の戦力は恐らく、まりさ単体の20倍ほどにはなるだろう。足を引っ張るから。 「ふらん、狩れっ!」 「うー……死ね!」 「「「ゆげっ!?」」」 だが、お姉さんとふらんは足を引っ張り合ったりしない。彼女達にとって、1+1は2じゃない。 お姉さんとふらんは1+1で200だ! 十倍だぞ、十倍! 「まりさはにげるよ! ……どぼじでちくちくさんがあるのおぉっ!?」 逃げ遅れ、ゆー死鉄線の檻に刺さって急停止したまりさを、後続のまりさ達が押し付け、 ゆで卵のスライスみたいに平滑させる。 「ふらんがきてるよおぉ!」 「どぼじでにげられないのおぉ!?」 「しらなかったの? おねえさんからはにげられない……」 残りのまりさ達もまた、平等にふらんの牙にかかってゆく。 身を挺してゆー死鉄線の隙間を広げるまりさが居ない以上、死の鉄槌が下るのを待つしかないのだ。 「ゆええっ! まりさはあんまりおいしくないよ! たべるならあっちにしてね!」 「はあああっ!? なにをいってるんだぜええっ! まりさこそおとりに」 「うー、りょうほう死ね!」 『ブシャァッ』『グシャリ』 互いを囮にしようと押し合うまりさ達は、仲良く一握の餡塊と化した。 彼女達が、直前まで「えいっえんになかよしのゆっくりでいようね!」と誓い合っていた等、 誰が信じられるだろう? ちなみにそんな事実はない。 「おちびちゃんたち! いそいでおとーさんのおくちにはいるのぜ!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」「おくちにゃらあんじぇんだにぇ!」「ふらんのばーきゃばーきゃ!」 「おとーしゃんはゆっきゅりしちぇるのじぇ!」「すぐにふらんをせいっさいっしてね!」 「ゆん! おちびちゃんはおとーさんがまも『スパっ!』――」 赤ゆっくりをお口にいれた父まりさは、上あごから上をふらんの羽で斬り飛ばされた。 「「「「「どぼじでおとうしゃんがいにゃいのおおっ!」」」」」 「知らない……知るひつようもない!」 「ぱっ!」「ぴっ!」「ぷっ!」「ぺっ!」「ぽおっ!」 「ぺっ……あんまりおいしくないよ」 残った舌半分の上でおちびちゃん×5は、ふらんに食べられることもなく吐き捨てられ、 その一部始終を落下しながら目にした父まりさ(上半分)は、絶望の涙を流しながら墜死した。 「ふらんにねらわれたら、もうだめだぜ。まりさはらくになるのぜ」 自殺を試みた賢明なまりさも居た。 「さあ、おたべな『シュパン』ひゃい! ……ひゅ!? おひゃへなひゃい――おひゃへなひゃいいっ!」 だが、ふらんと擦れ違いざまに顔の右側面を大きく削がれ、発音が出来ない。 「どほひひぇ、おひゃへなひゃいはでひないのひぇええぇっ!」 ふらんの牙が中枢餡を掠めたため、全身を切り刻まれるような激痛を感じながら、 漏れゆく自分の餡子を見守る羽目になったまりさ。 その餡子が致死量流れるまでには、まりさが全ての希望を二回捨てるほどの時間が掛かった。 「ゆわあっ! ふらんはこっちにこないで『ヒュンッ!』……ゆゆ?」 とある鈍重なまりさは、顔の中心を滑らかな感触が通過したことしか分からなかった。 「ゆ? ぜんぜんいたくないよ」「ゆ? ぜんぜんいたくないよ」 「よし、まりさはゆっくりにげるよ!」「よし、まりさはゆっくりにげるよ!」 「ゆ?」「ゆ?」 「「どぼじでまりさがはんぶんだけになってるのおおっ!?」」 そして、ステレオで悲鳴を上げる自分が、唐竹割りされている事実をようやく理解して、 お食べなさいを思わせる姿で永遠にゆっくりした。 「ふらんだよ! みつかったらたいっへんっだよおおっ!」 「いわれなくてもすたこらさっさだみょん!」 ふらんの餌食となったまりさ種の帽子が、目玉が、歯が、舌が、饅頭皮が、髪が、お下げが、 涙がうんうんが、秋の大地に降り注ぎ、みょんの走る側溝にまで落ちてくる。 「くううっ! ししゅうがきついみょん!」 「(ゆううぅぅ……みょんおねーちゃんのあたまにのってこんなにゆらされるなんて、 ぺにぺにがふっとーしそうだよおっ!)」 みょんの頭上でロデオ状態のまりさは、ぎんぎんのぺにぺにから何かがあふれ出そうだ。 「もしもみょんに"がんしゃっ"したら、みょんの"ろーかんけん"でおちびのぺにぺにを "きょせいっ"してやるみょん。いーんぽてーんつ!」 「(ゆうっ! ゆっくりがまんするよ!)」 みょん達がその場から姿を消す頃には、側溝が餡子で埋まり、道路は黒々とした まりさ種の粒あんによって覆われる。 後始末について、お姉さんが上司から説教される珍事件があったが、それはまた別のお話。 ■4、まりさとみょんはこうえんについたよ! 一時間後。 「"くじょ"にまきこまれるなんて、ゆっくりできなかったね」 「みょーん、みずばさんをかりられて、ゆっくりありがたかったみょん」 「ゆっくりしたれいむおねえちゃんありがとう!」 ここはゆっくりの生存が黙認された、町内の小さな公園。 ふらんの牙から命からがら逃げ延びた子まりさ達は、死臭と餡子汚れを落とすため、 公園のれいむから水場=トイレを借りたのであった。 「きょうはゆっくりした"きねんび"だからいいんだよ!」 「ゆ、きねんびさんなの?」 「れいむのだーりんが、きんばっじのかいゆっくりにしてもらえるんだよ。 そうしたら、おくさんのれいむもかいゆっくりになれるでしょ? ゆっくりしてるよお……」 「れいむのだーりんは、まりさかみょん?」 「そうだよ!」 「……ゆぅ」 「……みょん」 公園の周囲を見渡してみれば、子連れのれいむ、ありす、ぱちゅりー、ちぇんなどが、 『金バッジで飼いゆになった番のまりさ』を自慢し合っている。 「きんばっじをもらえるってきいて、ここのまりさは、おとなもこどももおねーちゃんも、 みーんなでかけたよ! まりさもいけばよかったのにね!」 「ゆっ!? ソ……ソウダネ! マリサトッテモザンネンダヨ」 まぶしい笑顔を直視出来ない子まりさは、限りなく棒読みで答えた。 「やまからきたみょんは、これからどうするつもりなの?」 「みょーん……このおちびをおねえさんとやらのところまでつれてゆくみょん」 「ゆ……いいの、みょんおねーちゃん!?」 「かんちがいするなみょん、おちびのおねえさんからの、おれいめあてだみょん」 ぶっきらぼうなみょんの姿は、まりさにとても頼もしい。 「きょうはもうおそいみょん。いどうするのはあしたにするみょん。 じゃましたついでにれいむ、このちかくに、にんげんさんのあきやはないみょんか?」 みょんは、紅く染まる空模様を見上げながら聞いた。日没後は捕食種達の時間。 みょん単騎ならばともかく、子まりさを抱えての行動は自殺行為だ。 「ふんすいさんのむこうに、いまはにんげんさんがいないゆっくりぷれいすがあるよ! ゆゆ……でも……」 「わかったみょん、きょうはそこにとまるみょん」 「まりさ、おとまりははじめてだよ」 「きのうはいちにち、そっこうさんのなかですーやすーやしてたみょんか……」 早速噴水の方を向くみょんを、れいむは慌てて呼び止める。 「まってね……さいきん、ひどいれいぱーありすがすみついていて、はいっていったゆっくりが ひとりもかえってきてないってうわさがあるんだよ」 「「うわさなんてあてにならないよ(みょん)」」 みょんと子まりさは、異口同音に返事して去った。 なお、狩りの主力であるまりさを一斉に失ったこの群れは、翌週までに9割ほどが 餓死の憂き目に遭うこととなるが、それはまた別のお話。 ■5、まりさとみょんはれいぱーをたいじしたよ! 「ついたみょん」 「ここがそのれいぱーのはうすだね!」 「ごはんさんをとるのに、だいぶゆっくりしてしまったみょん」 「ゆぅぅぅ……くささんはやっぱりにーがにーがだったよ」 子まりさとみょんが到着したのは、壁も崩れかかった、元は二階建ての木造アパートだ。 のーびのーびとずーりずーりをくりかえして、みょんと子まりさは床に空いた大穴から、 腐った畳の上に登った。 「さて、ここをみょんのゆっくりぷれいすに……」 「にんげんさんのおうちでおうちせんげんは、ゆっくりできなくなるよ!」 「ゆ……たしかにそのとおりだみょんが……」 おうち宣言はゆっくりの本能。 ゆっくりぷれいすに着いたら、まずおうち宣言をするというのが、ぷれいすへの礼儀というもの。 「しかたないみょん、ここをゆっくりやどにするみょん。 おちびがいるから、ここは"つれこみやど"だみょん――らーぶほ!」 「そのいいかただと、なんだかまりさがゆっくりできないよ!」 みょんが自分を納得させることに成功した、その瞬間だ。 「みょーん……なにかゆっくりできないけはいが。 ――おちび! あぶないみょん!」 どん。 殺気を感じたみょんの体当たりによって、驚くほど容易く子まりさの体は転がった。 直後、子まりさの居た位置に鋭く尖った木の棒が突き刺さる。 「ゆゆううううぅっ!? なにこれえええっ!」 「ゆーん、まちがっちゃったみたいだね!」 子まりさに向って木の枝を突き立てようとしたゆっくりは、柔和な笑顔を浮かべた。 ビニール袋を背負った、紅いリボンのゆっくりだ。 「れいむ――なにごとだみょん!?」 みょんは、警告無しに攻撃してきた事をとがめようと睨み付けたが、 「れみりゃかとおもったよ! ゆっくりごめんね! れいむはれいむだよ、ゆっくりしていってね!」 ビニール袋を背負った"れいむ"の笑顔に、どうしても気勢を削がれてしまう。 そう、"れいむ"は笑顔だった。 直前まで、子まりさに明らかな殺意を向けていたというのには、朗らかすぎる。 「ゆっくりしていってね! ……なんだみょん? ここはれいぱーじゃなくって、れいむのゆっくりぷれいすだみょんか?」 「みょんおねーちゃん、よくみてね! このゆっくり、れいむじゃないよ!」 みょんが警戒を解こうとしたまさにその時、まりさの警告が両者の間に響く。 「みょん?」「んほぉっ!?」 みょんと"れいむ"の行動は同時だった。 「ふいっうちっするわ!」 ビニール袋から"れいむ"が木の枝を取り出すと同時に、 「いあいっ! だみょん!」 みょんは背負った木の棒を舌に巻き取って枝を弾く。 ぱしっ! 乾いた音を立てて、みょんの棒が"れいむ"の棒をへし折った。 くるくると宙を舞う木の棒が畳の上に落ちた時には、既に"れいむ"は姿を消している。 「みょんおねーちゃん、すごーい!」 「みょんのろーかんけん――おれないぼうさんはあんまりないみょん。 ……みょんなはなしだみょん。おちび、いまの"れいむ"はいったいナニモノだみょん?」 「まりさにもわからないよ……でも、れいむじゃなかったのはたしかだよ……」 子まりさが、お飾りに依らずに他のゆっくりを識別する能力はそう高くは無かった。 例えばれいむがまりさの帽子を被っているのは識別できるが、れいむが別のれいむの リボンを付けていても分からないというレベルだ。 金バッジゆっくりとしては及第点ぎりぎりだが、野良ゆっくりと比較しては格段に高い その認識能力が告げていた――あれはれいむではないと。 「とにかく、ふぁっきんなびっちがいることはたしかだみょん……。 にげるか、たおすかしないといけないようだみょん」 「むきゅ!? ここのおうちにはだれかいるの?」 その時だ。床下から新たなゆっくりの声がしてきた。 「だれだみょん!? ゆっくりしないでこたえるみょん!」 「むきゅ、ぱちゅはぱちゅよ……ゆっくりかおをだしてもいいかしら?」 「……みょーん」 みょんの返答を待たず、"ぱちゅりー"が床下からひとっ飛びに上がってきた。 「むきゅん、ゆっくりしていってね!」 "ぱちゅりー"が挨拶する。挨拶を返すのがゆっくりの道理だ。 「ゆっくり――「おねーちゃん!」――しないでしょうたいを『ろしゅつぷれいっ』だみょん!」 みょんは挨拶のために床に置きかけた"ろーかんけん"を途中で再び拾うと、 驚くべき速さで体当たりを放ってきた"ぱちゅりー"に向って振り払った。 "ゆっくりしていってね"と言っていれば直撃したであろう体当たりに、 見事なカウンターをとって、"ぱちゅりー"のお飾りを奪い取る。 「このゆっくり、ありすだよ! みょんおねーちゃん!」 ぱちゅりー種のお帽子の下から表れたのは、ありす種のかちゅーしゃだった。 「んほ! なかなか"わいるど"なみょんと、"とかいは"なまりさちゃんだわああっ!」 「ゆかさんのしたからここまでぴょんぴょんできるぱちゅりーなんてそういないみょん。 みょんの"しんっがんっ!"でしかんするまでもなかったみょんが、やはり、れいぱーだったみょんか!」 子まりさの警告よりも早く、みょんは"ぱちゅりー"に強い違和感を覚えていたのだ。 「おかざりでゆだんさせて、はいったゆっくりをれいぽぅしてきたみょん!?」 「よくありすのとかいはな"へんっそうっ"をみやぶったわねええっ! でもねええっ! ここは、ありすの、とかいはなすっきりぷれいすなのよおおぉぉっ!」 正体を現したありすは、みょんが側溝の中で見せた以上のスピードで身を隠した。 「みょーん……」 「みょんおねーちゃん、これはあぶないよ」 子まりさも、この時に至って気付いていた。 お飾りを使った非道な変装を見破ってなお、地の利はれいぱーありすの側にあるという事に! 「んほおおおっっ!」 「とかいはなありすがどこかわかるかしらあぁぁ!?」 「みぎからくるわよおおおっ!」 「きをつけてねええっ!」 壁の向こうに足音が響いたかとおもいきや、床の下から声がする。 みょんと子まりさのこめかみを、冷たい砂糖水が流れた。 「こうなったら、おちびにもきょうりょくしてもらうみょん」 「ゆぅ!?」 「さくっせんっをつたえるみょん……かーくかーく」 「しーかじーか……ゆえぇっ! そんなぁ!」 「わかったら、とっととさくっせんっかいしだみょん!」 みょんが作戦開始を告げた。 すると、 「む……むりですうっ! まりさ、ばとるてんかいとかむりですから!」 子まりさは、逃げた。 「まりさは、ゆっくりにげるよ! みょんおねーちゃんはゆっくりしないでがんばってね!」 「ゆがーん! おちび、いったいどこにいきやがるみょん!」 あまりに重要な"作戦"を告げられた子まりさは、そう言い捨てて一目散に逃げてしまった。 床に空いた穴から一気に土台のある床下へ。 子まりさにしか通れないような穴を抜けた時、引っかけたお帽子を取り落としてしまっても走り抜け、 床下の換気穴から一気に外へ。 早く、早く、早く。れいぱーに襲われないよう、とにかくおうちの外に出るのだ。 「ゆん……ぷはあっ! はぁ……はぁ……。まりさはたたかえないんだよ……。 みょん……おねーちゃん!」 既に陽が沈みかかった外――捕食種に見つからぬよう、物陰に身を潜め、 子まりさは木造のボロアパートを眺めた。 薄暗い部屋の中に一匹取り残されたみょんは、"ろーかんけん"を口にしっかりと咥え直した。 「みょーん……おちびはでていったみょんか……」 子まりさが出て行った廃屋はひっそりと静まりかえり、塵の落ちる音すら聞こえた。 「しかたねーみょん。ちいさいおちびなら、せまいすきまさんもくぐられるみょん」 地の利はれいぱーにある。みょんが入ってきた場所から出ようとすれば、狭い空間で襲われる 危険があったがゆえの"作戦"。"ろーかんけん"を構えたみょんの、緊迫した時間が続く。 ――がたん。 みょんが物音に振り返ると、壁際に積まれたゴミ山が動き、「そろーり、そろーり」と、 見慣れたお飾りが目に入った。 「みょんおねーちゃん……こうえんからたすけをよんできたよ!」 「……おちびみょんか」 「そうだよ! そとにみょんや、ちぇんやまりさをたくさんよんできたよ! こっちにぬけあなをみつけたから、れいぱーにみつからずにでられるよ!」 と、子まりさは、ゴミの隙間から半身を出してみょんを招いた。 みょんは子まりさに背を向けて、部屋の中を警戒しつつじりじりと後退する。 「おちび、ほんとうによくやったみょん」 「ゆふふ、それほどでもないよぅ」 「ああ、おまえにいったんじゃねーみょん」 みょんは、"ろーかんけん"を咥えたままゆっくりと退がり、子まりさを間合に収めた瞬間、 振り返り様の一太刀を浴びせた。 「ゆ――『スバッ』…………ゆうっ!?」 "ろーかんけん"は"子まりさ"の腹を深々と切り裂き、柔い腹からどぼどぼと流れ出すのは、 粒あんではなく濃厚なクリーム。崩れるようによろめいた"子まりさ"が三角帽子を落とすと、 色の褪せたありす種のかちゅーしゃが現れた。 「んほお……! よく……わかったわねえぇぇ」 「いま、こうえんにまりさはほとんどいねーみょん」 流れ出すクリームの速さは、ありすの腹に開いた穴が明らかな致命傷だと告げている。 「それに、みょんは『おぼうしをおいてにげてかくれていろ』といったんだみょん」 子まりさがおぼうしを落として逃げれば、れいぱーありすがそれを使って変装する。 みょんは、来るはずのない子まりさを待ち伏せ、切り伏せれば良いだけだったのだ。 「とかいはな……まりさちゃんが……あぶなかったわよぉ……」 傷口から流れるクリームと共に、れいぱーの目から徐々に光が失われてゆき、 『ゆっ……ゆっ……』という特有の痙攣が始まった。 「おちびがにげなかったら、みょんもえいえんにゆっくりしてたってだけだみょん」 「ゆっ……まったく……とかいはな、ゆっ……まりさちゃんとみょんだったわぁ。 ゆっ……ゆっ……もっと……――り、したか……」 子まりさのお帽子に死臭が付かないよう取り、"ろーかんけん"を収めた時には、 既にれいぱーは永遠にゆっくりしていた。 「さいごのせりふは、"ゆっくりしたかった"みょんか? "すっきり"みょんか? ……まあ、どっちでもいいみょん。ゆんごくでゆっくりするがいいみょん」 みょんは、頭に子まりさのお帽子を乗せた。 子まりさがあの場に居てくれなかったら、れいぱーに騙されて永遠にゆっくりしていたが、 かといって留まられては、足手まといな子まりさ諸共永遠にゆっくりした事だろう。 作戦を理解し、ゆー気ある逃走に転じてくれた子まりさを迎えに、みょんは床下に降りた。 「ないたりしたら、なんだかこまるみょんが……」 予想は違わず、子まりさはみょんを見るなり泣き出してしまったので、すーりすーりで なだめつつ、子まりさをアパートの中に引きずり込む羽目になったのだった。 ――夜。 盛り上げられた土の下に、一体のれいぱーありすが眠っている。 ビニール袋に入れられていたお飾りを幾つか床に敷いて、みょんは即席のベッドを作っていた。 「みょんおねーちゃん、どうしてあのれいぱーをまいっそうっ! してあげたの?」 「みょんは、えいえんにゆっくりしたゆっくりを"しかん"するねくろふぃりあじゃないみょん」 「じゃあ、このありすのおかざりは何なの?」 「……このおかざりだけ、びにーるぶくろさんのなかにだいじだいじされていたみょん」 「だいぶ、小さいね。まりさより小さいありすのおかざりさんだね」 「みょーん……ぎんいろのばっじさんもあったみょん」 「ゆぅ……かいゆっくりだったのかな?」 「しらないみょん」 「ありすのおちびちゃんがいたのかな?」 「わからないみょん」 「どうして、れいぱーになっちゃったのかな?」 「……わかるのは、あのれいぱーが、おちびとみょんをえいえんにゆっくりさせるつもりだった。 ただそれだけだみょん」 「なんだか、それって、ゆっくり……して……ないよ」 「そんなもんだみょん」 「…………」 「おちび、ねたみょんか?」 「…………」 「みょんも、すーやすーやするみょん」 不思議饅頭はお姉さんの夢を見るか? 時折身を震わせながら涙をこぼす子まりさに、すーりすーりするみょんは呟いた。 「れいぱーがまりさをたべたり、ちぇんがでいぶをたべてえっとうっ! する。 そんなの、ありふれたはなしなんだみょんよ?」 ゆっくりの命は軽い。親殺しも同族喰いも、野生ではありふれている。 みょんがかつて出会った、母を喰らって冬を越したちぇんの物語――これは本当に別のお話。 ■6、まりさとみょんはまちのなかをあるいていったよ! 翌朝。 「おちび、ほんとうにもどるみょんか?」 「そうだよ、きのうのお姉さんは、"ほんもののまりさはまたあしたおいで"って、いってたんだよ」 子まりさが、昨日の事故現場に戻るといって聞かないので、みょんはその道すがら、 残った死臭だけでも非ゆっくち症にかかる可能性があると、翻意を促した。 「しんようできるとはおもえねーみょん。まりさたちをふらんにおそわせていたみょんよ?」 「ゆっくりは、どうろに"たくさん"あつまったらせいっさいされる、きまりがあるんだよ」 「みょーん……せいっさいというよりは、ぎゃくっさつ! だったみょん」 飼いゆが学んだ人間のルールと、自然に覚えた野生の掟だ。会話が噛み合うはずもない。 「かいゆっくり、そんなにいいものだとはおもえないみょんが……」 「お姉さんのところにかえりたいだけだよ……」 といって、野良ゆのみょんが、子まりさに付き合って無事に済む保証も無い。 「みょんおねーちゃん。あぶないから、まりさだけでも……」 子まりさが台詞を続けるより早く、みょんは子まりさの前に進み出た。 「……おれいはちゃんとはずむみょんよ?」 「みょんおねえちゃん……ゆわーい!」 子まりさとみょんは、敢えて人通りの多い道を進んでいた。 殆どの人間さんたちは、ゆっくりに対して驚くほど無関心で、大勢で道の真ん中を闊歩したり、 こちらから話しかけることが無ければ、近づかれることすらも殆どなかったのだ。 「やあ、まりさにみょん。ゆっくりしていかないかい?」 「おにいさん、まりさはまりさだよ、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね。みょーん」 時折、肩パッドを付けたモヒカンの鬼威惨が話しかけてきたものの、挨拶だけして頭を下げ、 視線を合わせずに去れば、危害を加えられることはほとんど無い。 「……チッ」 後ろ暗い『虐待』の趣味を抱える鬼威惨達は、目立つ真似をしないためだ。 騒ぐ公害饅頭なら、ゴミ掃除の大義名分も成り立つが、路上の片隅で暮らすゆっくりに声を掛け、 人間への関心を煽るのは、顔をしかめられる行為なのだ。 「みょんおねーちゃんは、どうしてたびをしているの? ゆっくりぷれいすをみつけられなかったの?」 道中、子まりさは聞いてみた。 「ちがうみょん。みょんは、ゆっくりようむになりたいんだみょん」 「ゆっくりようむ? きいたことないよ」 「れみりゃやふらんをもいちげきでたおせるという、でんせつのゆっくりだみょん」 「ふらんやれみりゃを――! すごぉい! それってゆっくりしてるよ!」 「みょーん」 二体は、遠い目をして"ようむ"に心を馳せる。 捕食種は強い――餡に刻まれた記憶を覆し、捕食種に勝てるゆっくりというその幻想は、 子まりさをもゆっくりさせた。 「やまにもかわにもまちにもいったみょんが、ようむをしってるゆっくりはいなかったみょん」 「まりさのお姉さんが、その"ようむ"についておしえてくれると、いいね!」 「じつは、おちびのおねえさんとやらには、ちょっときたいしてるみょん」 そうこうしているうちに、子まりさとみょんの肌を、風に漂う死臭がくすぐり始めた。 「みょんおねーちゃん……」 「ちかづいてきたみょん」 角を曲がれば、そこは昨日の事故現場。如何に掃除した物か、粒あん一つ落ちては居ない。 漂う濃密な死臭は隠しようもないが、そこにはかなりの数のまりさ種が居た。 「おねーちゃん、これまでありがとう。まりさ、いってくるよ!」 「みょーん。あとはおちびしだいだみょん。がんばるみょんよ?」 出る幕のないみょんは物陰に留まり、子まりさは、ゆっくりの輪の中心――放置された パトカーを守るように立っている、作業服姿のお兄さんに近づいていった。 ■7、その台詞は言わせない ~まりさはきんばっじのかいゆっくりだよ! 編~ 「はーい、一列になーらんで頂戴ねー」 妙に間延びした口調の彼お兄さんは、まりさ達を整列させていた。 ゆうかにゃんが描かれたスコップを背負うその隣には、「かいゆっくりまりさよう」と書かれた、 小型のドス程もある麻袋が鎮座しているのが見えた。 彼――土木お兄さんが虐待派かは分からないので、悪目立ちしないよう、 「そろーり……そろーり……」と近づいていく 「ゆゆぅ……あんなにおおきなふくろさんにいれられたら、まりさ、つぶされちゃいそうだよう」 他のまりさ種と一緒に袋に入れられた場合を想像して、餡子を震わせるが、先頭のまりさが 「ゆっくりしていってね!」少しの後、その想像が全くのハズレであると思い知った。 「それーじゃあひーとりずつ、金バーッジの飼いゆっくりかどうか。見ていーくからね」 「おにいさんはゆっくりしてるね! まりさはきんばっじのかいまり――おそらをとんでるみたい!」 「金バーッジの飼いゆっくり、一名さーま、ごしょーたーい」 お兄さんが自己紹介を終えたまりさをひっつかみ、麻袋に放り込んだ時、聞こえたのだ。 「こーぼね!」と鳴く声が。 「ゆ……?」 誰の声だろう?と疑問に思う暇も無く、並んだまりさ達は続々とお兄さんに話しかける。 「はーい、お次のまりさはー?」 「よくみてね! まりさ、かいゆっくりでしょ? きんばっじで――おそらをとんでるみたい!」 「こーぼねー!」 「はい、つーぎーのーかーたー。まりさはどんなまりさかなー?」 「きんばっじでかいゆっく――おそらをとんでるみたい!――なまりさをはやくゆっくりさせ」 「こぼねー!」 声の主は、あの袋だ。 自己紹介を終えたまりさ達を、お兄さんが次々と『飼いゆっくり袋』に入れる度に、 袋が「こぼね!」と鳴いている。 飼いゆの幻想を抱くまりさ達は、土木お兄さんの質問に嘘を答え、そして何の疑いもなく 麻袋に吸い込まれてゆくのだが――「こぼねー!」また袋が鳴いた。 「ゆぅ……まりさ、なんだかふあんになってきたよう」 列を進みながらちらりと後を振り向くと、銀髪のみょんがこちらの様子を伺っている。 鳴く袋の恐怖に負けて逃げ出せば、みょんは子まりさを野良に受け入れてはくれるだろう。 だがそれは同時に、子まりさが飼い主のお姉さんから離別する事を意味した。 「まりさ……がんばるよ!」 危険はあるが、なんとしてもあのお姉さんにゆっくりして欲しいと、子まりさは誓ったのだ。 そして、とうとう子まりさの順番が回って来た。 「お兄さん。まりさはまりさだよ、ゆっくりしていってね!」 「つーぎの、金バーッジ飼いまりさちゃんどーうぞ」 「ゆっくりよくきいてね! まりさは"ぎんばっじじゃない"んだよ!」 「はーい、金バッジ一名様……む?」 「もういっかいいうね。まりさは"ぎんばっじじゃない"んだよ! かいぬしのお姉さんは、いまどこにいるかわからないよ!」 「君は、"銀バッジのゆっくりじゃない"んだーね? "飼い主の場所も分からない"のかい?」 土木お兄さんが顔色を変えて、そう聞いたので、子まりさは覚えていた通りに。 金バッジになるのならば必須の知識として、お姉さんから教えられた通りに、 「そうだよ! まりさはぎんばっじのゆっくりじゃないよ!」 そう答えた。 「ゆっぷぷ! あのおちびはばかなゆっくりなのぜ。 じぶんからばっじゆっくりじゃないなんていって、あのおちびの"ゆんめい"はきまったもどうぜんなのぜ! あ、ちなみにまりさはきんばっじの――おそらをとんでるみたい!」 「わらったらかわいそうでしょぉ! でも……ぷぷ! まりさみたいにちゃーんとこたえたら、きんばっじのかいゆっく――おそらをとんでるみたい!」 子まりさの後に並んでいたまりさ二体は、土木お兄さんが適当に麻袋に放り込んだ。 麻袋が二回、「こぼねー!」と鳴いた。 「ちょっと、"銀バッジじゃない"まりさちゃんはこっちの箱に入っていようか」 子まりさは、持ち手の付いたペットケージに入れられた。 "かこうじょ"と走り書きされた毒々しい原色のペットケージだったが、内部は清潔で、 ふかふかの綿が敷き詰められていて、あんよを傷めることなくゆっくり出来る。 「これでよかったのかな? お姉さん。みょんおねーちゃん……」 不安に目を閉じる子まりさは、疲れもあって、段々と眠りの奧に沈んでいった。 「ゆぷぷ……これでまりさはのらせいかつとおさらばなんだね!」 ペットケージの外では、列に並んだ最後のまりさが、土木お兄さんの手に掴まれていた。 「うーん、確かーに……そうなるねー。でも君ー達は、飼ーいゆっくりにはーなれないよ?」 「ゆ……?」 「飼ーいゆに戻れるのは、先刻のおちびちゃーんだけさ」 土木お兄さんが麻袋をめくると、ドスサイズのゆっくりゆゆこが大きくお口を開けていた。 「こーぼね! (あらあ、さいごまでまりさなの? まったく、このゆっくりかいずいいちのぐるめたるわたし、 ゆっくりゆゆこに、のらのまりさばっかりむーしゃむーしゃさせるなんて、どぼくのおにいさんも ゆくりづかいがあらいことね! なまごみさんのふうみで、のらだってわかっちゃうんだから!)」 餡に染まった口の中、一面に貼り付いたまりさ達のデスマスクが、最後のまりさを迎え入れる。 「ゆゆ?」 「君達はーほら……ゆゆこさんのお腹の中、だね」 「ど……どぼじでぞうなるのおおっ!? まりさ、ちゃんとこたえたでしょおっ! まりさはきんばっじのかいゆ――おそらをとんでるみたい!」 「さーどーしてかなー?」 「こーぼね! (きまっているでしょう、おにいさん。きんばっじゆっくりをさがしているのに、ほんゆんがじぶんを、 きんばっじのかいゆっくりですといってしまったら、のらのゆっくりと、くべつがつけられないじゃない。 だからきんばっじでは、にんげんさんにたいして"ほのめかす"ことをおしえているのよ!)」 「へーそーなのかー」 野良に堕ちた金馬鹿ゆっくり等も、やはり人間に対する口の利き方を忘れ、往来のど真ん中で 『金バッジの飼いゆっくりでした!』と叫ぶが、それは既に、野良ゆのやり方なのだ。 "保護すべき金バッジ"を区別するために、金バッジのゆっくりには、絶対に自分で自分を 「金バッジの飼いゆっくりである」と言わないように教育する。 なので、金バッジを付けたゆっくりが、道ばたで「金バッジのまりさにあまあまをちょうだいね!」 等と言い始めたなら、携帯で録画しておこう。即座に潰しても賠償の責任は無い。 「……というわーけでー。みごと金バッジっぽーいまりさちゃんをみつけたわけだけど。 ボーナスなんて、出ーないんだろうなー」 「こぼーねー! (わかっていることとはいえ、ゆっくりたいさくかのよさんへんせいにはふまんがあるわ。 けれど、ばいとのおにいさんがそのうちかぐやなりゆかりなり、おいしいきしょうしゅを ふるまってくれるとしんじて、ゆゆこはがんばっておそうじをつづけるわ!)」 「はいはい」 土木お兄さんは、携帯電話を取りだした。 ペットケージで眠る子まりさと、飼い主さんとの感動の再開――それはまた、別のお話である。 ■8、まりさは、みょんとばいばいしたよ! 数日後、子まりさはお姉さんに連れられて、町外れの公園まで散歩に来ていた。 新品のすぃーに乗ったまりさは、金バッジ試験を受ける前よりも格段に逞しくなっているように見える。 公園の入った子まりさは、野良ゆ達がたむろする茂みをじっと見つめるが、 期待した姿が見当たらないので、がっくりと肩を落とした。 と、振り返った子まりさは、公園の出口、別の町に抜ける方向に、銀髪のゆっくりの姿を見つけた。 傷だらけの精悍な顔立ち、膨れた防水風呂敷を担いだゆっくりは、にやりと笑うと、 咥えたステンレスのステーキナイフを掲げて見せた。 まるで、子まりさのお陰で手に入った、とでも言うように。 そしてくるりと出口に向うと、振り返ることもなく公園から出て行ってしまう。 「みょんおねーちゃん……」 「どうしたの、まりさ?」 「ううん、何でもないよ……お姉さん!」 「なーに、まりさ?」 「お姉さん……ゆっくりしていってね!」 ひょんな事から出会い別れた、はぐれまりさとながれみょん。 彼女達がこれから辿るゆん生――それはまた、別のお話である。 挿絵:
https://w.atwiki.jp/nisina/pages/175.html
分裂る(はぐれる) 【はぐれる】(はぐれ-る) 1、迷う事。2、同行者と離れる事。 【例】同行していた友達とはぐれてしまった。 〈新東西書房『今すぐ使える日本語大辞典』より抜粋〉 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 辺り一体の密林。鳴り響くコンドルの様な鳥の声。足にまとわりついてくるツル。 更には密林独特の気持ち悪いと暑いの中間くらいの体感。 藤岡弘探検隊さながら、俺はとんでもない場所に来てしまっていた。 「迷ったとかのレベルじゃないだろ…」 そもそも…ここは日本、JAPANなのだろうか。南米アジアとかアフリカとかと間違ってるんじゃないか…いや、それより早くこの状況をどうにかせねば。 早くしないと俺は禿鷲達の嬉しいお昼ご飯になるのだからな。 「…しかし、どう出るか…」 元々和穂と一緒に居たが、いつの間にかはぐれてしまった。 その和穂と先程、昼休みにて他愛の無い世間話をしていながら歩いていたら、いつの間にか隣に居た和穂が消え、俺はここに流れる様に来てしまったのだ。 記憶はうっすらだが、確か『学校専用農場』とかいうのが、壊れかけのレディオならぬ壊れかけの看板があった気がしないでもない。まぁもしそうだとしても自分が秘境ワクワク探検ツアーなんてのに行こうとした気も無い訳だが…。 「更に携帯も繋がらないといういらない特別サービス付き、か…まったく嬉しくないが」 生徒手帳はあった気がするから、今のうちに遺書でも書いておくか、と自虐なのか冗談なのか自分でも分からない事を思いながら、俺は歩みを進めた。 「和穂おおお!何処だあああああっ!!!」 …ついでに、叫んだ。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ その時、鷲ヶ谷和穂に電流が走る! 「ハッ!」 「?どうしたの和穂ちゃん」 「いや、なんか忘れてる気がしてて…」 「気のせいじゃないの?」 「ま、いっか」 残念、雄一郎の叫びは届かなかったようです。まぁ和穂だから仕方ない。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「…マジでここ、日本なのかよ…」 あれから周りを一回見渡した後、腕時計を見たら、どうやらもう10分が経ったらしい。 昼休み終了までの残り時間、20分までに、なんとかして脱出せねばならないだろう。 「…とは言う物の」 だからってサバイバル訓練を受けてもいない一般人(パンピー)。 だから正直言おう。無理。 てか、ここで生きてく自信が無い。 そうだ、仮に死んだら、ここに骨を埋めよう。そうしよう。 畳の上で死にたかったが、もう良い。 …人間どんな場所で死のうが、最後は土になるんだから、手間が省けて良いかもしれないな…。 「っておい!なんて馬鹿な事思ってるんだ俺は…」 人間追い詰められると訳分からない事をすると聞いたが、今俺はそれをしたんだろう。 仕方なさそうに髪を掻きつつ、俺は比較的草のある場所に座り込んだ。 土の冷たさが制服越しに感じられ、中々この暑さでは良い物なのかもしれない。 「…やってみるか」 俺はそこから態勢を崩し、地面に寝転がる。 徐々に来る爽快感がまた良いんだなこれが。癖になりそうだ。 「でも、よくこうやってしてるとさ、寝る事があるんだよな」 公園で背が高く顔がイケメンな男が自然に囲まれた一角に、本を胸元に置いて寝てるていうのが少女マンガにあるが、まさしく自然の恩恵だろう。 実際やったら恥ずかしくてたまらんだろうが。 「何…考えてんだよ…俺は…」 …やべ、早速眠気来た…駄目だ、寝たら死ぬぞパトラッシュ。 しかし、五時限目に…出るのは諦めたとしても…六時限目には出な…きゃ…な。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「というのがあそこに居た理由です」 「そんな事が理由かい?小鳥遊君」 「はい。そうであります大佐!イエス!サー!」 「よぅし、小鳥遊君は日本史の成績1にしよう。全部は可哀想だからね」 「すいません、調子に乗りました」 職員室の一角にて、俺をピクリともその表情を動かさず、精神的に追い詰めているのが、我が校の社会科教師であり一年学年主任、『臺 九重(うてな ここのえ)』。 一発では読めない名字と女みたいな名前だが、一応男である。今年で25歳。独身。 「臺先生、僕はですね…迷っちゃったんですよ、あの密林の中で」 「それは分かってるさ。けれどあそこは今使われてないって知らなかったの?」 言葉の語尾に疑問符を付けながら、臺先生は俺に尋ね続ける。 ずっと変わらない笑顔が尚更不気味というか恐怖というか、そんなのを感じさせる。 「先生、僕はこの学校の一年です。分からないのはありますよ」 「看板に気づかなかった?」 「はい。確かほぼ見えない場所にありました」 どうだこの野郎と心で言い張る俺。 流石にこればかりは無理だろう。 屁理屈だろうが確かにそうだったもの。オレ、ワルクナイヨ。 「だからって…用務員の田中さんが偶々来なかったら君はねぇ…」 説教じみた喋り方ながらも、相も変わらず話してくる臺先生。 こうして見ると、彼は中々二枚目と言える容姿を持っているといえる。 また、生徒達とはどんな話でも話が何故か合い、その生徒達からも人気がある、よく居る、けれど実は見ない教師というのが、彼を示す言葉達。 漫画やアニメの様なキャラが多いこの学校の数少ない我等少数派の希望なのである。 え、俺多数派?だまらっしゃい。 「あ、そうだ小鳥遊君、この話とは別に、話があったんだよ」 「話?なんですか、一体」 「これ、持ってってくれないかな?」 そう言って俺に突き出すようにプリントの山を渡す臺先生。 おかしいな、前が見えないぞ。 「先生、前が見えないんですが」 「それは君が表向きの目でしか見てないからだ。心の目…即ち、裏向きの目で見る事も大切だよ?」 「名言もどきで片付けないで下さい」 あはは、と少し笑う臺先生。こうなれば仕方ないか。 「ほらほら早く!もう帰りの準備終わっちゃうよ~?」 「ひ、ひでぇ…」 この人、Sなのかもしれん。直感的に…。 ま、別に気にする事でもないか。 俺は周りの気配を感じつつ、慎重に、慎重に歩き、職員室のドアに手をかけ、開ける。 廊下に出てから、また職員室に顔を出して、「失礼しました」と軽く会釈付きで言った。 ◇◆◇◆◇◆◇◆ 「あれ、雄一郎」 脅威とも言える数のプリントをクラスに持ってきた俺を待ち構えていたのは、半ば相棒である鷲ヶ谷和穂である。 「あれぇ、じゃないわ。おま、昼休み何処居た」 ただでさえ小さい和穂に詰め寄り、体を少し屈めさせる。 和穂はう~ん、と唸った後、「気がついたらここに」と言う。 「あの、和穂さーん、確か俺、貴方と一緒に居ましたよねぇ」 「居たねぇ」 「いや、軽く言わんでもらいますか?てか言うな」 この言葉に顔を(´・ω・`)とする和穂。 うるさいやい、と言わんばかりだなオイ。 「あ、雄一郎さ、あと一つ良い?」 「どうした、改まって。今回の事は俺の心に深く刻みこまれているぞ?」 「いや、そういうのじゃあないよ」 藍色のセミロングを少しかきあげて、一息ついてから口を開いた。 「ほら、居たじゃん?あの…ボクに妹」 「あぁ、県(けん)ちゃんだっけか」 「鼎だよ鼎!昔のミスを掘り返さないでほしいなぁ…」 「で、その子がどうしたんだ?」と和穂に尋ねると、和穂は俺に言葉を返した。 「あの子、ここの中等部なんだよね。一年生」 「あぁ、そうなのか」 「だからさぁ、明日昼休み着いて来てくれないかな?」 「どうしてだ?家でやれば良いじゃねえか」 だがそうとも行かないらしく、バツが悪い顔をする和穂。 これを見る限り、学校でやらなければいけないのだろう。 致し方無いっていう訳なのか…。 「じゃあ一人で行けば…」 「迷った時に困る!」 そりゃあ確かにここはでかいですよ和穂さん。 だからって、お前は子どもか。この駄々っ子め。 「むきゅう」 つい、和穂の頭をぐしゃぐしゃと掻き回す様に撫でる。 和穂は前やった時と似た声を出して、上目遣いでこちらを見てきた。 そんな仲間になりたい様な目されても、俺は困るぞ。 「…ま、そういう訳だ。詳しい話は明日してくれや」 「んー、じゃあ今日は帰る?」 「あぁ…なんかこんまま帰って良いみたいだからな」 手にバッグを持ち、机とはおさらばすると、後ろから和穂の小さい歩幅から聞こえる上履きの音が耳に入った。 「あのさ、雄一郎」 「ん?」 隣の方へと首を下げ、和穂へと目線を合わせる。 「ここの近くに喫茶店があるんだけど、行かない?」 「む、別に構わんぞ。むしろ良い時間潰しだ」 そのついでになんか今日の詫びとか理由つけて奢らせてやろうか。 出来れば、砂糖が物凄く入った甘いコーヒーを。 「…そうと決まれば、早く行こうよ!」 ぴょいんぴょいんとバネの様に跳ねるのを目で追う。 つーか、これお前が行きたかっただけなんじゃねぇのかと。 まぁ、お互い様か。 「あいよ」 ただ一言、いつも通りの返事を返すと、とててと小さな歩幅で歩き出した和穂を、俺はその小さな背中を追い始めた。 続くかは分からない 前:牧村拓人の放課後 次:とある教師の職員談話